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パトロールカー(英: patrol car、略称: パトカー)は、警察官が乗車し巡回を行う自動車[1][2]。
日本語では「パトロールカー」という言葉が使われ、それは警察官が乗って、犯罪の予防・検挙や、交通の指導・取り締まりのために巡回するのに用いる自動車のことである[3]。日本語では「パトカー」と略す[3]。 英語では、もう少し広い範囲を指す 「police car」(警察車両という意味)という名称・概念を用いることが一般的である。
本記事では各国のパトロールカーについて述べる。
警察は行政系の組織であるので、各国の警察で、(しっかりした自動車産業が育っている国では)基本的には、自国の産業を優遇すべく、自国の自動車メーカーの車種を優先的に採用しようとしている。
例えばドイツでは、ドイツ車、つまりBMWやベンツやフォルクスワーゲンなどが用いられている。フランスでは、フランス車であるルノーやシトロエン、プジョーなどが用いられている。
ただし、自国の自動車メーカーで実用的な車種が消滅してしまったり、警察組織にもコストや環境性能が求められるようになると、耐久性や環境性能で優位性がある日本車が導入されることも増えているほか、韓国車を導入するケースも散見される。
イタリア警察では、式典や広報用には、イタリア製の(他国の人は驚くが)スーパーカーを使うことがある。(大量導入が必要な現場向けには日本車を使っていることもある)
アメリカ合衆国では「Marked」(日本で言うと一目で警察とわかる白黒の車両)と「Unmarked」(覆面車両)に大別される。米国の自動車メーカーのGM、Ford、クライスラー製のものが大半である。 →#アメリカ合衆国
日本では、昭和25年(1950年)6月に当時の自治体警察としての警視庁が無線警ら車を3台導入したのが最初である[3][4]。日本では日本の自動車メーカーの自動車を用いている。→#日本
イタリアの高速パトカー
ランボルギーニ・ガヤルド
主なパトカーはスバル・レガシィ
ロシアのパトカー
フォード・フォーカス
シンガポールのパトカー
スバル・インプレッサ
イギリス・コーンウォール警察
フォード・フォーカス
韓国のパトカー(現行デザイン)
ヒュンダイ・YFソナタ
北朝鮮のパトカー。車体に「交通安全」と書かれている。
アメリカ合衆国の警察のパトカーは「Marked」と「Unmarked」に大別される。
「Marked」は日本で言うところの白黒パトカー。車体に警察機関名、バッジのイラスト[5]、「POLICE」「HIGHWAY PATROL」「STATE TROOPER」といったマークが施されている(=Marked)もの。塗装はカリフォルニア州で多く見られるような白黒も存在するが、後述するように中古で出すこともあるため、専用の塗装はせず、単色のボディにステッカーのマークを貼り付けているだけの場合も多く見られる。図柄は機関の数だけあると言っても過言ではない。基本的に警ら任務に用いられるものを指すが、特殊部隊や特殊任務班で使用されるもので、マークが施されていれば含まれる。
「Unmarked」は覆面パトカー。先述のマークが施されていないという意味。「Undercover」などとも呼ばれる。用いられる車両は警ら用と同じ車種も多いが、中には個人所有の車両や、押収した車両を捜査車両として使用できる機関もあり、逮捕した禁制薬物の売人から押収した高級車が使用されていることもある。ニューヨーク市警察のタクシースクワッドは、タクシーに偽装した車両に刑事2人が運転手役と乗客役に分かれて乗車し、防犯活動をしている。一方でハイウェイパトロールの覆面パトカーは、警光灯が外から見えないようになっているだけでドアには大きくマークが描かれている(カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールの例)。これは警察車と認識されないと、追尾した相手から強盗と勘違いされ最悪の場合は銃撃を受ける事さえあるためである[6]。SWAT要員は個人ロッカー代わりに装備品一式をトランクに納め、いつでも・どこの現場への招集でも応じられるようにしている(ロサンゼルス市警察)。この場合使用されるのはやはり覆面車である。
両者の中間的存在としてあるのが「Ghost」「Low profile」「Stealth」などと呼ばれる車両[7][8]。単一の車体色に、車体と同系色或いは目立たない意匠で警察を示す標識を施したもの。法令上はMarked扱いになるものの通常のパトカーと比べてそれと認識しづらくなっており、その機能を活かして交通取締や防犯活動に用いられる。以下で述べる覆面パトカーの運用制約があるかないかに関わらず、各州各地の警察で運用されている。
なお、アメリカ合衆国における覆面パトカーの運用態勢は自治体ごとに異なる。例えばオレゴン州警察・バージニア州警察・メリーランド州警察などでは、速度違反を含む幅広い捜査に覆面車両が投入されている[9][10]。カリフォルニア州では1923年以来、交通違反取り締まりにおいて覆面車両を使用することが認められてこなかったが、2008年にカリフォルニア高等裁判所は速度制限違反の取り締まりを除いた全ての違反取り締まりに際し覆面車両を使用することを認める判決を出した[11]。ニューヨーク州では1996年の州知事令により州警察が交通取り締まりのために覆面車両を使用することが禁止された。しかし、これはあくまで州警察に限られたことであり、市警察や保安官事務所が使用する車両には現在適用されていない。アメリカ国内では、覆面パトカーを装った車両の指示に従って停止したところ強盗や強姦の被害に遭うケースが頻発しているため、ニューヨーク州などでは、州内において覆面車両を交通取り締まりに用いることを全面的に禁止する法案の審議が行われている[12]。
採用されている自動車は、国産のビッグスリー、つまりゼネラルモーターズ(シボレー、GMCが多い)、フォード・モーター(フォードが多い)、クライスラー(ダッジ、ジープが多い)の各社製が大半を占める(日本でトヨタ・日産が多く採用されるのと同じ理屈である)が、外国製(特にトヨタや日産が多い)も使用されている。
フォード・クラウンビクトリア・ポリスインターセプター(フォードのパトカー仕様車の呼称)が、全パトカーの7割〜8割を占めているといわれる。90年代中頃までは同車とシボレー・カプリスが多かったが、カプリスが生産中止になってしまい、警察一般で好まれる「パワフルなFRのフルサイズセダン」という要件を満たすものが同車のみになってしまったのが要因。
1990年代の終わりごろ、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール(CHP)はボルボS70-Tを試験的に採用したことがある。当時採用していたカプリスが生産中止になり、クラウンビクトリアも経営の効率化のために生産中止になるのではないかと言われ、アメリカ的なFRフルサイズセダンの存在自体が自動車市場において風前の灯火であると言われていたのが原因。これらの車両がなくなってからも円滑に車両を調達するため、もっと他の車種にも目を向けようと考慮したものであった。しかしボルボS70はフルサイズセダンに乗りなれた警官にはあまりに狭く、不評で、本格的な採用とはならなかった。幸いにしてクラウンビクトリアの生産は継続され、CHPは今日までそれを使用している。
ただし、FRが絶対条件というわけではなく、FFのシボレー・ルミナ、シボレー・インパラ、ダッジ・イントレピッドなども採用されている。
2006年にダッジ・チャージャーのパトカー仕様車が、フォード以外から発売されるパトカー向けFRセダンとして久々に登場し、以後採用する機関は徐々に増えている。2008年にはカーボンモータース社がセダン型のパトカー専用車「E7」を発表した。ディーゼルエンジンによる燃費の向上や専用設計によるパトカーとしての最適化が行われていると同社は説明している。2009年、ニューヨーク市警察は環境対策の一環として日産・アルティマを採用。また、GMは2011年から傘下のホールデンで製造されているカプリスをベースにしたシボレー・カプリスPPV(Police Patrol Vehicle)を供給すると発表した。2016年、ロサンゼルス市警察は大規模な停電などの際に使用できなくなる恐れがあるとして、テスラ・モデルSを2017年から、本格導入されることが発表された。アメリカのパトカーとしては初の電気自動車である。
そのほか、管轄や目的によって、シボレー・カプリスやダッジ・マグナムなどのステーションワゴン、シボレー・コルベット、同・カマロ、フォード・マスタングなどのスポーツカー、シボレー・サバーバン、シボレー・タホ、フォード・エクスプローラー、フォード・エクスペディション、ダッジ・デュランゴのようなSUV、シボレー・シルバラードやフォード・レンジャーなどのピックアップトラック、シボレー・エクスプレス、同・アストロなどのバン、ハマーなどのオフロードビークルなども多く使用されている。特殊部隊では器材と要員を運び現地対策本部にもなるバンが必須である他、発砲を避けて民間人を救出するために軽装甲車を配備することもある。
一般的に「ポリスパッケージ(Police package)」「ポリスインターセプター(Police Interceptor)」と呼ばれるもの。フォードは「P71」、GMは「9C1」「B4C」などといった商品コードを使用している。
土台となる車種からの変更点としてはエンジンの出力向上、ラジエーターやバッテリーの大容量化、電装品の耐久性向上、足回りの強化、内装の簡素化といったもの。メーカー出荷時にワーニングライトやサイレンなどを装備することもできるが、後述するように実際にはその警察ごとに装備の仕方は異なるので、購入後に緊急車両専門の架装業者に依頼することも多い。大きな自治体や警察組織では自前の工場を持っていたりする。
アメリカでは機関ごとの方針でパトカーの装備は異なり、上記の写真で見られるようにプッシュバンパーひとつ取ってもまちまち。装備品の製造メーカーも多く、同じ機能を目的としていても様々な製品がある。
日本で使用されているものと機能や形状はおおむね同じだが、アメリカではハロゲンやストロボ式以外にもLED式がかなり広く普及している。ハロゲンやストロボ式に比べ、LED式はかなり薄くできるのが特徴。高速走行で空気抵抗が強くなると稀に警光灯が風圧で取り付け部からもげてしまうことがあるので、高速での追尾を行うCHPは、ハロゲン式ながらより高速走行に耐えられるFederal Signal社の「Vector」を採用していた(5個の回転灯が三角形に並んでいる)。しかしLED式の方が空力的に優れており、また警光灯としての性能も十分であることからLED式に変更した。ハイウェイパトロール以外でも、Federal Signal社のVision SLR、Valorを採用する機関が増えている
アメリカでは地域警察の中核にパトカーによる警ら活動がある。日本のような交番制度が極一部にしかなく[29]、日本と比べて遥かに広い管轄を守るには自動車が必要不可欠である(逆に、街中で見かけるパトカーの種類と数も、地元自治体だけでなく郡保安官あり州警察あり、日本の比ではない)。またそういった事情から、全くの新人が最初にパトロール部門に配属される点は日本と同じだが、新人もまたパトカーの乗務から警察官としてのキャリアを始めることが一般的である。故にパトカー運転技術の習得は全ての警察官にとって必須になっており、警察学校で初任教育を受ける警察官は全員が操縦課程を受講しなければならない。
緊急車両の操縦技術訓練は「Emergency Vehicle Operator Course」通称EVOCと総称され、直訳すると「緊急自動車操縦者課程」になる。初任の候補生が受ける基本的なものから、現職が受ける操縦訓練、白バイの操縦訓練などを包括する。訓練内容は故意に車をスピンさせるもの、パイロンで作られたコースを走る前走車を追尾するもの、三箇所ある信号機のうち「青」になったところを瞬時に判断して通過するものなど様々。
アメリカの映画やドキュメントで見られる、車体を被疑車両にぶつける強制停止措置「PIT maneuver(PITマニューバ)」の訓練もEVOCに定められる。PITは基本的な訓練には含まれず、後に所定の訓練を受けなければならない。またPIT資格を有していない警察官は実施することができない。
車両を被疑車両にぶつけてスピンさせるなどし、逃走の継続を阻止する強制停止措置。PITの意味には諸説あり、Pursuit Immobilization Technique(追尾走行阻止技術)、Precision Immobilization Technique(精密走行阻止技術)、 Push It Tough(強く押す)など。いずれにしても、逃走を阻止するために車体をぶつけて被疑車両を押す、という意味が含まれる。なお、スピンさせたからと言って被疑車両が必ずしも走行不能になるわけではないので、態勢を立て直して引き続き逃走するケースも見られる。このようなケースを防ぐ為に、スピンして停止した車両を他の警察車両で取り囲んだり、場合によっては前後・左右から警察車両をぶつけて完全に包囲する事もある。
PITは以下の三つの過程を経る。
実行にあっては、管轄機関の当直責任者などの指令に基づく必要があるのが一般的。概ね時速50マイル(約時速80km)以下では致死性の威力行使とはならず、PITの違法性は阻却される。しかし最近では横滑り防止装置の普及により、後輪に外部から横方向の力を入力しても装置が減衰してしまうため、PITの効果が薄れているとの見解もある。[30]
このようにPITは制度として現在は確立されており、警察官が思いつきでぶつけているわけではない。よって、同様のことを日本の警察官がやることはできず、もし場当たり的にやった場合はその警察官及び都道府県警察が刑事・民事双方で、違法性が問われる恐れがある。もし日本で行うには、PITを行うための法整備及び訓練や実施制度の確立が不可欠であろう。
警察車両はその性能が任務や運営費を左右することから、警察独自の評価制度を設けて警察向け車両の試験を行うことがある。言わば「警察車両アセスメント」であろう。有名なものは、ミシガン州警察とロサンゼルス郡保安官によって実施される試験。これらの機関では毎年各メーカーの警察向け自動車及びオートバイを集めて試験を実施しており、試験内容やその結果は一般にも公表されている。試験項目は周回路でのラップタイム、急加速、急制動、追尾を想定した走行試験、燃費、居住性、無線など機器の設置性、快適性、整備性など多岐に及ぶ。
審査は、ミシガン州警察は警察官及び民間の協力者によるテストチームが、ロサンゼルス郡保安官のものは同郡保安官助手とロス市警警察官の合同テストチームが、それぞれ行っている。
これら以外の機関でも調達にあたって独自のテストを行うことがあり、性能やコストのバランスが勘案される。よって調達単価が安ければ採用されるとは限らない。
国民から徴収した税金で調達した装備を国民に還元する、また、不要となる資産から売却益を得る、という考え方から、日本とは異なり、警察が競売などで積極的に売却しているため、中古パトカーは広く流通しており、中古パトカー専門業者も数多くある。新車市場が年間7万台ほどのようなので、単純に考えて毎年数万台のパトカーが中古として放出されていることになる。
放出車はワーニングライトやラジオなどの警察用装備は取り外された状態にされ、入札によって売却先を決定する。先述の専門業者が落札することも多い。そのようにして放出されたパトカーは、予算規模の小さい警察が購入して再びパトカーとして使用することもあれば、タクシーとして使用されるもの、一般の中古車と同様に個人の自家用車として使用されるものがある。中には熱心なパトカー愛好家により、再びパトカーの装備を施されて趣味として楽まれる車もある。そのような再びパトカー仕様に改造された車は日本からでも購入可能であり、日本の保安基準を満たしていれば登録して実用することも可能である。パトカーは酷使される一方で整備が行き届いている個体が多いので、長持ちする事を考えてあえてパトカーを購入する者もいる。
アメリカではアマチュアが参加するドラッグレースなどの草レースが盛んだが、これにレース仕様のパトカーが時々出ている。ほとんどが警官による自主的な広報活動を目的としたもので、麻薬追放や公道における違法レースの撲滅、及び合法レースへの参加を呼びかけるものが多い。車両購入と改造、レース出場にかかる諸費用は警官有志が自費負担している。車両は基本的にそのレースの種類に応じたレーシングカーで、警光灯などを装備しパトカーとしているのが特徴。所属している機関の許可が出れば、公式シンボルマークや名称ロゴを車体に施すこともある。
日本では主に、警察の治安維持活動、ライフラインを点検する為の水道局、ガス会社、電力会社、電話会社、鉄道会社、法務省出入国在留管理庁地方出入国在留管理局、国土交通省、高速道路会社(旧日本道路公団等)の交通管理隊、また「青色防犯パトロール」と呼ばれる自主防犯活動に用いられる町内会(自治会)などで使用される車両や民間警備会社の車両などがある。防犯活動用など一部のもの(住民有志の自家用車であったり役所の公用車だったりする)を除き、特種用途自動車(8ナンバー車)である。
日本の警察におけるパトロールカーは、緊急自動車指定を受けた警察の車両であり、パトカーと略される。警察業界用語では「PC[31]」。警察無線でも「PC」は一般的に使われている。
パトロールカーは、制服パトカー(白黒ツートーンカラーで警光灯を装備)と覆面パトカーに大別される。
街中でよく見かける制服パトカーは、消防車や救急車とは異なり、「機動警ら(地域警察)」という運用であり、警察本部・警察署などの庁舎での待機ではなく、常に街中にいて犯罪・事故の未然防止と110番通報時に現場へすばやく臨場をすることに備えている。また「交通警察(交通機動隊・高速道路交通警察隊・警察署交通課)」や「刑事警察(機動捜査隊・警察署刑事課)」でも街中で取締や警戒・捜査を行うだけではなく、街中から現場へすばやく臨場することもまた運用目的である。
制服警察官が乗務するパトカーで、警察署の地域課自動車警ら係や、交通課、自動車警ら隊、高速隊などに配置され、正式には、交通取締用の車両を「交通取締用四輪車(交通取締用無線自動車)」、主にパトロール用の物を「無線警ら車(警ら用無線自動車)」という。つまり各警察部門用の無線機を搭載した、交通取締用もしくは警ら活動用に行う自動車という意味である。先述の街中による警らや交通取り締まりなどの公務執行のための自動車であり、「警察官の乗用車」というわけではなく警察部門の各執行活動のための自動車としてある。
これは警察において最も数が多いパトカーで、日本の警察では主に地域警察の警邏活動、交通警察の事故や違反の抑止、刑事警察における捜査・犯罪警戒活動において使用される。刑事捜査における尾行の際、被疑者への警察の存在を秘匿する(密行と称する)必要があるので覆面パトカーを使うが、それ以外の場合は、むしろ警察車両であることを前面に押し出し、わかりやすく制服パトカーで捜査や取締を行う。
車両のデザインについて、警察庁では「車体を白黒色に塗り上部及び前面に赤色警光灯と拡声器を備え、横部に都道府県名を表記する」という指針がある。
1950年(昭和25年)に登場したパトロールカー(当時は移動警察車と呼ばれた)、自治体警察の一部で導入されたジープ等の車両の塗装は白色一色であった。1955年(昭和30年)、当時ほとんどが白色一色であった一般車と区別するため[32]、米国のパトロールカーを参考にして、未舗装道路が多かった当時の道路事情を考慮して下半分を汚れの目立たない黒塗装のデザインにした[33]。 しかし細かな規定はなく、各都道府県警により塗り分け方や警光灯の形状などが微妙に異なっている。文字表記は道府県によって「○○県(府)警」(例・大阪府警)と「○○県(北海道)警察」(例・神奈川県警察)に分かれている。香川県警察では以前は「香川県警」だったが、近年導入された車両では「香川県警察」に変更されている。
字体についても様々であるが石川県警のように明朝体からゴシック体に変更された地域もある(現在、明朝体を使用しているのは鹿児島県警や熊本県警など少数。)。青森県警は、フロントドア下側に白抜きで白鳥のイラストが描かれている。大分県警は、以前はアメリカの車両のように赤色と青色の混合警光灯を装備していた車両も存在したが、これは皇族警衛の際に使用された車両である。皇族警衛では地域を問わず車列先導を担当する制服パトカーは、散光式警光灯の片側もしくは一部のカバーを青色に付け替えた車両を用いる慣習であるが、近年は赤色灯はそのままで着脱式流線型の青色警光灯を追加する方法が主流となった。また、2008年(平成20年)12月に福岡県で開催された日中韓首脳会談の警護の際は、警護対象車を識別するため、国ごとに異なる色の警光灯を装備していた[34]。
また、在日米軍が所有する一部のパトカーも青と赤混合の警光灯を装備した車両がある。また警視庁は2007年(平成19年)、外国人にもパトカー(ポリスカー)であると認識してもらえるように、また視認性向上などの理由で、黄色の反射材で作られた「POLICE」文字のステッカーを左右ドアと後部バンパーに、警察手帳に装填されている記章をデザイン化した、やはり反射材製のステッカーをドアに貼り付ける事を決めた(画像参照)[35]。
パトカーは警察の証として赤色警光灯やサイレンを装備しているのではなく、警光灯・サイレンは道路運送車両法に定められた緊急通行車両の緊急走行時の安全装備として取り付けている。目的地は急行する際にパトカーが事故を起こさないよう、視覚(警光灯の光)と聴覚(サイレン音)で道路を通行している他の車両や歩行者に緊急走行中と認識させる注意喚起の為の安全装備品(警光灯・サイレン)としてである。
なおパトカーは種類・用途により排気量・出力が異なっている(大きい順に「高速隊・交機パトカー(3,500 - 2,000 cc)」・「警らパトカー(2,500 - 1.900 cc)」・「ミニパトカー(1.500 - 660 cc)」)ため、隊を越えての車両異動(例:自ら隊から交機隊への車両異動など)は基本的になく[36]、各隊毎に専用車両が新規発注されている。ただし寄贈や県警独自の方針で、スポーツカーを発注する場合もある(フェアレディZバージョンNISMO、NSX、アリスト等)
また多くのパトロールカーには、屋根に所属警察署・隊名略号(コード)と号車数字が表記されており、警視庁や一部の警察本部ではフロントガラスにもこの表記がある(一例として警視庁麹町警察署所属の1号車であればフロントガラスに「麹町1」、屋根には「麹1」、本部302号車なら「302」、高速道路交通警察隊所属3号車なら「高速3」、屋根には「速3」など)。
警察無線の識別信号を兼ねているため、警察官は無線交信時、最初にその番号を名乗る事になっている。特に屋根上の表記は「対空表記」と呼ばれ、ヘリコプターを運用する航空隊員が、地上の車両と無線交信をする際に、コールサインを把握する目的がある。そのため警察ヘリと交信するため、基幹系警察無線を基本的には車載していないミニパトなどの交通執行車両や交番・駐在所配備車両には、対空表記がないものが多い。秘匿の用をなさなくなるため、覆面パトカーにも通常は表記されない。
覆面パトカーは平時の外観は一般車両と同じ様相をしており、緊急走行開始時や対象者検挙時にのみ、赤色灯を露出させサイレンを鳴らすパトカーをいう。パトカーであると気づかれずに、不審車両や不審人物への職務質問が出来るので、不審者を取り逃がす可能性が少ない。
正式には取締りに用するものを「交通取締用四輪車(反転警光灯)」、要人警護に用するものを「警護車」、犯罪捜査の用に供するものを捜査車両といい、総称してこの3種を覆面パトカーと呼び単に「覆面」や「覆面車」と略される時もある。ただし捜査車両の中には、緊急自動車指定(騒音走行認定)を受けておらず、着脱式赤色回転灯とサイレンを装備していない一般車両も存在する。
また覆面パトに乗務する警察官は、必ずしも警察の制服を着ているとは限らず、「私服警察官」として、一般人と同じ服装でパトロールを行う場合もある[37]。
外装上の特徴として、警察無線用のアンテナがある。基本的には無線機を搭載していると思わせない擬装を施したアンテナが使用され、古くはフェンダーに取り付けるラジオアンテナを模した「F-1型アンテナ」やパーソナル無線用のアンテナを模したタイプが使用され、1990年代には自動車電話用アンテナを模した「TLアンテナ」が主流となった。
それぞれに「本来のラジオ用アンテナは存在するため『ラジオアンテナが2本有る』ように見える」「パーソナル無線搭載一般車両の減少」「携帯電話の普及による自動車電話の減少と、携帯電話オプション品としての同型アンテナの普及率の低さ」という短所から「覆面パトカーの象徴」の様に、広く一般にも認知され、秘匿性に欠けるため、2000年代初め頃からは、車載アナログテレビのダイバーシティアンテナを模した「TAアンテナ」に置き換わった。
しかし、日本の地上デジタルテレビ放送の開始で、一般車両のテレビ視聴用にはフィルムアンテナが主流となったため、TA型の秘匿性も落ちており、警察無線用の周波数に調整したフィルムアンテナや、現在ラジオアンテナの主流であるプラスチック外装で短い棒状の通称「ユーロアンテナ(日本アンテナ製:MG-UV-TP、WH-UV-TPなど)」が主流となっている。例外として、一部の県警ではアマチュア無線用のホイップアンテナに擬装したアンテナを使用している場合もある。
交通取締用四輪車(反転警光灯)は、警護車同様に赤色警光灯が車内天井部に格納されており、緊急時にはルーフ中央部分が開いて小型の流線型赤色警光灯が外部にせり上がって来る(かつて180度反転して収納されていた構造から「反転式」と呼ばれるが、現行製品は格納スペースの中で横倒しになっており、蓋が開く動きに連動するリンク機構によって外部に露出させる)。また、ごく初期の覆面パトカーは、回転灯が上昇・下降するのみで、反転はしなかった模様である[38]。
交通覆面パトカーは、交通機動隊(交機隊)や高速道路交通警察隊(高速隊)、また警察署(所轄署)の交通課などに配備されて、主に交通取締りを行なっている。交通機動隊など交通違反取締りを行う車両には、屋根中央部分から格納されている赤色灯が、車内のスイッチ操作により自動的にせり上がるようになっている。そのため、車内天井には反転灯を収納する場所の窪み(その形状から「洗面器」と呼ばれる事がある)がある。
また、車内に乗っている警察官は、原則として交通機動隊の青色制服、または合皮製黒色制服を着用することになっているので、車内をよく観察すれば、警察車両であると判別できる。例外として、各地の暴走族(マル走)対策車両などには、捜査用車両と同様にマグネット式の赤色灯を使うものが存在し、マル走対策などでは、交通機動隊であっても私服で出動する場合もある。リアトレイに設置された電光表示板に「パトカーに続け」や「速度落とせ」などと表示される機能の付いた車両もある。
交通覆面パトカーは制服パトカーと同じく、各自動車メーカーに専用グレードが存在する。しかし制服パトカーに比べて需要台数が少ないため、車種も少なく、現在はトヨタ・クラウンのみがカタログモデルとして設定されている。しかし制服パトカーでの記述にあるように、県警単位で購入したり、警察庁が一般競争入札で一括調達するケース、寄贈されるケースが主流となっているため、一般市販車ベースの覆面パトカーも多数存在する。バブル景気には、貿易黒字を減少するため、国費でベンツやBMWの外国製高級車が購入され、主要県警の高速隊に配備されていた事例もある。
車両価格は、2016年に警視庁が購入、交通機動隊に配備したトヨタ・マークXの例で、4台で3,331万1,640円(1台あたり832万7,910円)。ただし、3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載するスポーツモデルに、専用開発されたスーパーチャージャー、ECUを換装、トルクと馬力が高められた特別な仕様のものである[39]。
警護車は、主に内閣総理大臣を初めとする閣僚や官公庁の上官、都道府県知事など国内外の要人警護を目的に使用され、ベース車にはトヨタ・センチュリー、トヨタ・セルシオ、トヨタ・クラウンマジェスタ、レクサス・LS、日産・シーマ、日産・フーガ、日産・スカイライン、日産・ティアナ、ホンダ・レジェンド、スバル・レガシィB4(BM9)など、高級日本車やスポーツセダンが採用される場合が多い。
しかし、2008年頃にはベンツ・S600L(W221・右ハンドル防弾仕様)の高級車が数台国費導入されている。また、トヨタ・ランドクルーザープラド、トヨタ・ハイラックスサーフ、スバル・レガシィアウトバックなどのSUVをベースとし、警護の車列には直接加わらない遊撃警護車も配備されている。
一部の車両を除き、交通取締用四輪車同様に、赤色警光灯が車内天井部に格納されており、ルーフ中央部分が開いて小型の流線型赤色警光灯が外部にせりあがってくる。前面赤色警光灯は、フロントグリルの中に取り付けられているのが一般であるが、近年は全国的に視認性を高める目的でLEDの前面赤色警光灯を装備する志向にある。このうちセルシオなど大排気量車の中には防弾ガラス仕様も存在する。
なお基本的な仕組みは交通取締用四輪車と同じであるが主に白黒パトカーに装着されている補助ミラーを装着しており業務上必要ない速度計測用の機器(ストップメーター)を装備しないなど細部に違いがある
警護車を使った警備については、警護車を1台ないしは2台利用して車列をつくり(車列警護)、警護対象者の乗る対象車の前で先導するか、対象車の後から追尾するスタイルが一般的である。なお、この場合では警護車は緊急自動車とならず、車列の走行に障害となる一般の交通を一時停止させるため、乗務するSPが、警護車から身を乗り出し(「ハコ乗り」)、誘導灯を振るなどして一般車などを排除しながら走行する。
捜査車両は機動捜査隊、警察署(所轄署)の刑事課や生活安全課、交通課などに配備され、私服の刑事警察官が乗務する。国費購入の場合には機動捜査用車、私服用セダン型無線車、私服用ワゴン型無線車などと、カテゴリーが分けられて、一般競争入札により調達されるが、時には数百台単位での台数となる。
白黒パトカーと比較すると、改造箇所が少なく、市場人気が下落傾向のセダン型車を多く販売できるため、メーカーやディーラーは、マイナーチェンジやフルモデルチェンジ直前のモデルや、不人気モデルであると、かなり安値で落札することがある。
調達する警察側としては、結果的に一番安いときに大量購入することになることが多い。セダン型の自動車が日本市場でも人気が落ち、ミニバンやSUVの乗用車が販売台数を飛躍的に伸ばしているため、捜査上秘匿性を重要視する覆面パトカーにとっては、セダン型ではかえって目立ってしまう事態もあり得るため、ミニバン型の車種を導入することが多くなってきた。
私服用ステーションワゴン型無線車、私服用ワゴン型無線車、私服用ワゴン型車などとカテゴリ分けされ、いずれも2,000 cc級や2,400 cc級など、排気量によっても分別している。また、狭い道路での活動(被疑車両の追尾など)などでは、排気量が小さめな車種も必要とされることから、1500cc級のセダン型やハッチバック型、ステーションワゴン型が調達されることもある。
刑事ドラマやサスペンス系2時間ドラマの劇用車として、よく登場するタイプのもので、緊急時にはマグネット吸着式の流線形赤色警光灯を、ルーフに付けて走行する。また、高速時の脱落を防止する為に、ルーフ中央には、ボルト固定しているピンを装備する場合があるが、外見から固定用ピンが目立つので、車両によっては取り外し、ネジ等で穴を塞いでいる場合もある。
神奈川県警察刑事部では、被視認性をより高めるため、赤色灯を左右2個取り付けるという「独自の指針」を出している。
ただし、必ずしも捜査車両=覆面パトカーではなく、特に地方の所轄警察署などでは、緊急走行のための装備を持たない車両が多く、以前は1,500 ccクラスのセダン型が多く見られた。ナンバーを外部に知られると用をなさなくなるので、必要に応じてレンタカーを用意したり、捜査員などの私有車(自家用車)を使うようなケースもある。場合によっては、地域課や鑑識などが覆面車を使用する事もある。また一部の県警では、所有者がリース会社名義の捜査車両もある。
捜査車両の中でも、警察署長や警察本部の幹部クラスが乗務する車両を指揮用車という。事件や事故で臨場することはあるが、普段は幹部の移動用として用いられ、警らに用いられることはない。
現在使用されている国費導入された主な捜査車両
機動捜査用車
私服用無線警邏車・その他のカテゴリーの捜査車両
かつて使用されていた主な捜査車両
また、最近では大人数の人間を乗せたり優れた積載性、居住性が必要となる場合のためにミニバン型の捜査車両も増えており貨物車、日産・エクストレイルなどSUVが採用されているケースもある。
警視庁などでは近年ダイハツ・ハイゼットや三菱・ミニキャブ、日産・クリッパーなどのいわゆる軽ワンボックスの捜査車両や、ハイエースなどワンボックス捜査車両も導入されている。これらの車も、赤色灯とサイレンアンプが装備され緊急走行が可能であり、また隠蔽性の良さが買われ交通取り締まりを職務とする交通執行課(主に警視庁)に配属されている車両もあり、交差点や信号等の交通違反の取り締まりにも使用され威力を発揮している。
指揮用車は2,000 ccから3,000 cc級のセダン型の高級車が多い。トヨタではクラウン、マークXなど、日産ではティアナなど、スバルでは レガシィB4(BM9)などが採用されている。
ちなみに1960年代頃までは単にセダンに円柱型の回転灯をつけた車両が使用されていた。その後円柱型回転灯をネジで固定する形での脱着式、流線型回転灯のネジ止めを経て現在に至る。地域と時代によって交通取締用四輪車と同じ反転装置を使用していた車両も存在した。
1,500 cc以下でなおかつ、5ナンバーサイズの枠内に入る(例外的にごく一部に全幅1,700 mmを超える3ナンバー扱いの車種も存在)小型自動車ないし軽自動車を用いたパトカーで、制服パトカーと覆面パトカーの二種あるが、一般的に現場ではミニパトと呼ぶのは本署から比較的遠方の交番や駐在所に配備される「小型警ら車」と、もっぱら違法駐車の取締や街頭での交通整理や指導を行うために使われる所轄署の交通課や交通機動隊に配備される軽自動車 - 1,300 cc程度の制服パトカー(現場でも「ミニパト」と呼ぶことが多いようである)を指すことが多い。「小型警ら車」と呼ばれる前者は1974年(昭和49年)、全国100か所の道路事情や気象条件の厳しい駐在所に初めて配備された(昭和50年版「警察白書」)。政府(警察庁)により国費で1,000 cc - 1,300 ccクラスのものが大量導入され、全国に配備されるため、街頭でも比較的見かける機会が多い。年度によっては4WD指定で入札が行われることがあり、2WD車の入札も行われる場合、その年度は2車種配備されることもある。
また、都道府県費での調達も少なからずあり、その場合は政府調達の車種と違った車種が導入されることもある。現場で「ミニパト」と呼ばれることが多い後者は、特に警視庁のような大都市圏では軽自動車を採用することが多く、取締りの際にパトカーを停車させるスペースさえも確保しづらい混雑した道路では威力を発揮する。地方都市ではいわゆるリッターカーと呼ばれるクラスを採用する傾向が多く、管轄が広く移動距離が比較的長くなることでの、耐久性などを考慮しているものと思われる。調達は、いずれも都道府県費によるものが大多数を占めるため、全国的に統一された車種ということはない。赤色回転灯とサイレンアンプを搭載して道路交通法施行令による緊急自動車の指定を受けている。
国費導入された小型警ら車の代表的車種
都道府県費で導入された車種 ※ ☆は軽自動車、★は3ナンバー規格のボディが用いられた小型車
またミラ(ジーノ、イース含む)、エッセ、ハイゼットカーゴ、ミニカ、アルトなどの軽自動車が特に警視庁などの大都市圏で多く見られる。
装備に関しては、無線警ら車と呼ばれるクラウンなどの制服パトカーよりも簡素化されているのが通例で、速度取締用のストップメーターや車載型の無線機などは装備されていないことが多い。そのため、多くの警察本部では小型警ら車の運用要領などを定め、乗車する警察官は携帯無線機や無線受令機を携行するよう定めている。多くの車両にはアンテナは設置されており、これに接続されたケーブルを無線機に接続し運用する事も多い。一部の車両では、データ通信端末やカーロケーションシステムなどを搭載している。
また、近年無線警ら車に装備が進むカーナビゲーションは、運用性格上あまり必要とされていないためか、装備されていることはほとんどない。無線警ら車と異なり、パトカー専用グレードで製作されるものではなく市販車がベースであるため、ベース車の装備はそのまま残されている。赤色灯は小型の散光式警光灯が取り付けられているがブーメランタイプについては他のパトカーと同じである。
パトカーの後席右側のドアは内側から開かない場合があるが、これは一般車でも装備されているチャイルドロックがされているだけであって特別なことではない(ただし、解除できないようにつまみを固定していることが多い。制服パトカーや交通取締用の覆面パトカーは内側のドアハンドルやドアリンクなどが取り外され、外からしか開かないよう改造されている)。
パトライト昇降機構非装備のパトカーでは、トランク蓋内側に回転灯を左右に一つずつ装備している車両もある(点滅するLED警光灯の場合もある)。
その他、パトカー乗務時に警察官は所轄地域の住宅地図や道路地図、クリップボード、ノート、筆記用具、デジタルカメラ・ビデオカメラ(いずれも違反車や事件・事故現場の証拠写真・映像撮影用)、メモ用紙、携帯無線機(他の警察車両・警察官や所轄警察署との連絡用)、警笛(交通整理及び危険周知用)などを携行する。最近ではスパイクシステムを一部の車両に搭載している様子が警察24時等の番組でも確認できる。また、最近では警らパトカー等に自動体外式除細動器が積載してある車両もいる。
かつての覆面パトカーは、8ナンバーであった。乗用車はモノコックボディということで、反転式赤色灯の装備が「構造変更を伴う車体改造」となり、それを取り付けた事によって「車体の形状」が「警察車四輪」に変わるためである(陸運局に提出する構造変更概要の書類において、「車体の形状」は書き換える事ができるので8ナンバーとなっていた)。
現在、制服パトカーでは型式認定を受けているクラウンも含めて全てが「持ち込み登録」となり、記載事項の変更をする。高さや重量が変わるためで、「車体の形状」も「箱型」などから「警察車四輪」に変わるため8ナンバーとなる。赤色灯等の取り付けのためにボディに穴を開けたり、エンジンやミッションなどを載せ変えたりしている場合もあるため、こういった場合は構造変更の検査・登録も同時に行う。サンルーフ仕様車を架装ベース車とすることにより構造変更要件をパスしている車両もあるとされる(元々ガラスなど重いものが付く上、同時に補強もされているので架装時の補強が不要とされることから)。
覆面パトカーは車両の入れ替えなどにより大部分が3ナンバーまたは5ナンバーになっている。しかし、注意して観察すると下記の特徴、相違点を見出す事ができる(基本的に交通取締用四輪車・警護車に限った特徴。捜査用についてはこの限りでない)。
パトカー専用モデル、あるいはパトカー仕様を持つ車種は、トヨタがジープBJ、ランドクルーザー(主に国警向け)、トヨタ・パトロール(専用、生産終了)、トヨタ・パトロールカー(専用、生産終了)、クラウン(現行型製造中)、マークII(市販車の6代目まで)、日産がパトロール(主に国警向け)、セドリック(セドリックセダン)(生産終了)、グロリア(市販車の7代目まで)、クルー(生産終了)、スカイライン(市販車の7代目まで)、既に生産を中止しているメーカーのものでは三菱のギャランΣ、シグマ、マツダのルーチェなどが挙げられる。
警察庁が購入し各都道府県警に配備する国費配置車と各県が購入する県費配置車が存在するが、大量に要する国費配置車は現在国産で唯一パトロールカー専用グレードをもつトヨタ・クラウンパトロールカー(200系)が圧倒的に多く、最近は警邏用や交番配置用としてパッソ・ソリオなどが国費または県費で大量に購入されることが多い。ただ、専用グレードがないため国費と県費、また購入時期によって導入するグレードが違う場合もある。エスティマ(警視庁)、ティアナ(北海道警)、日産・サファリ(愛知県警)など少数存在するが都県費での購入となり台数も少ない。また最近では地域事情(積雪地であることなど)からメーカーでパトカー専用グレードを設定していない車種を県費で購入するケースもあり、青森県警のレガシィB4などがこれに当てはまる。
財政事情の悪化により、数十台分という予算を一括計上する事が困難になっている事から、一部においては購入ではなくリース導入する例もあり、このような車も緊急自動車としてサイレン・赤色灯を装備している。消防車や救急車に於いては古くからリース導入の実績はあったものの、これらは一般のリース車と異なり他用途への転用や中古市場への流通が出来ない事からクローズドエンドリースであり、リースアップ後は廃車される。
何かの縁故により自動車メーカーから直接寄贈されているケースも少なからずある。神奈川県警察の歴代フェアレディZ、スカイラインGT-R(横浜工場および大森ファクトリーが存在する縁故)、栃木県警のNSX(寄贈当時、NSX専用工場が県内にあった縁故)が代表的な例である。又、有志によるものもある(埼玉県警察高速隊のトヨタ・スープラなど)。
一方、外国車の場合は地元有志(ロータリークラブ、地元自動車ディーラーなど)による寄贈が多いといわれている。
納入から13年程で、ほとんどのパトカーは退役する。悪用防止の観点から、消防車や救急車などと異なり一般への払い下げはされず、無線機等の保安上の問題となる資機材を撤去もしくは破壊し、一般の修理工場などに送られ廃車手続きを行って解体処分される。まれに例外として、綿密な検査で耐久寿命が残っている車両が高速隊仕様から警ら仕様にダウングレードされて再度パトカーとして使われたり、表記を所属警察のものから「交通安全指導車」などと書き換え、交通安全協会等へ送られて交通指導車として余生を送るもの、新潟県警のポルシェ・911のようにイベント用として残されるものなどもある(前述の通りあくまでも稀なケースであり、多くの交通指導車は市販車に白黒塗装を施し、赤色灯とスピーカーを取付けたもの)。
また、覆面車両の一部は警察での用途廃止後はそのまま自衛隊等に置かれる司法警察組織へ譲渡される場合もある。
初代のトヨタジープBJ型は警察予備隊の小型汎用車両の競争入札に参加する目的で設計された。結果として、競合車であった日産・4W60型と共にウィリス・ジープのノックダウン生産(後にライセンス生産で国産化)である三菱・ジープの前に敗れ、民需の道を模索することになる。そのような中、頑丈なシャシと強力なB型エンジンが評価され、国家地方警察(国警)の警ら車両として採用される。
二代目のJ20系では国警向けに力を注いだ結果、全ラインナップの半数が後輪駆動(2WD)となる。初代の途中で消防用シャシ向けに追加された、より新しいF型エンジンもすべてのモデルで選べるようになる。
J40系はジープBJやJ20系の置き換えや補充用として納入されてはいたが、この頃になると国産乗用車の性能や信頼性が高まり、道路舗装も進んだことから、機動隊や消防指揮車を除き、一般的な警ら車両はS40系クラウンをベースとしたトヨタ・パトロールへと移行してゆく。
BDRはトヨタパトロールの試作車で、小型トラックと同様のはしご型フレームを持ち、サスペンションも全後輪ともにリーフリジッドである。型式からも判るように、エンジンは戦前に設計された大型トラック・バス用の、初代B型であり、これはジープBJや20系ランドクルーザーとも共通である。トランスミッションも小型トラック用の3速MTの歯車比を変更したもので、6.00-16のタイヤサイズもやはり小型トラックと共通である。
この時代のRS系クラウンは排気量1500cc、出力は48馬力と非力なため、白黒のパトロールカーは無かった。当時は犯罪者側がアメリカ車で逃亡を計る場合も多く、国産乗用車の性能では全く太刀打ちできなかったため、大型トラック用の大排気量ガソリンエンジンの採用に至った。この時代、日産やいすゞでも、同様な警ら専用車を納入している。
2代目となるH26系は、外観こそ初代クラウンのRS系に酷似するが、シャシやパワートレインはBHRと同様で、新設計のF型エンジンが追加設定されている。長大な直列6気筒エンジンを搭載するため、クラウンに比べホイールベースとボンネットが長く、タイヤサイズが大きく車高も高い。この外観的特徴は先代にも共通する。右フロントフェンダー上に電動サイレンが装備されており、そのためアウターリアビューミラーはドアミラーとなっている。クラウンではBピラー埋め込みであった矢羽式方向指示器(アポロ)は、フロントカウル左右端にステーで直立しており、非常に目立つ。この他、H20系には2ドア・2シーターで、非常に短いクーペのようなキャビンを持ち、白黒の塗り分けも通常とは異なる仕様が少数存在する。
また、このシャシとエンジンの組み合わせは、四輪駆動の必要の無い地域向けの消防用シャシ(カウルシャシ)としても販売されており、これらはFA型大型トラックの縮小コピーのようなボンネットを持っており、パトロールカーとは全くスタイルが異なる。
3代目のFS20系からFS50系までは、クラウン(S20系、S40系、S50系)の各部を補強した上で先述のF型エンジンを搭載したものとなる。H20系までとは異なり、ボンネットの延長は無く、前輪がダブルウィッシュボーン式の独立懸架となり、車高も通常の乗用車と変わらないため、クラウンとの見分けは難しくなった。
なお、FS20、FS40、FS50系には、クラウンバンを大幅に設計変更した「トヨタ・救急車」も存在する。
クラウンをベースとした専用車。制服車(白黒)、特殊車(覆面)、警護車、私服無線車(赤灯無し)がセダン、事故処理車、鑑識車、捜査用車、保全車がバンベースである。ここへ来てようやくトラック用エンジンと決別し、4M型と5R型という、クラウン縁のものとなり、タイヤも乗用車用となった。
交通取締り用、警邏用ともに排気量は3000cc(JZS133Z)の5速MTのみであった、1991年に後期型へのモデルチェンジ、その2年後の1993年に一部マイナーチェンジを行った、フェンダーミラーが標準だが覆面パトカー車にはドアミラーを装備している車体もあった、このモデルまでは全車MTである、基本的に交通機動隊と高速道路交通警察隊に配属させた警察本部が多かった。現在はほとんどが廃車となっており愛知県警など一部地方の警察本部などに予備車や乗務訓練用として残るのみである。
かつては刑事ドラマにも多く登場した車種。排気量は3000ccのみ設定。室内は170系以降高級になったクラウンとは対照的に質実剛健さに徹しており、総ビニール内装でエンブレム類はメーカーのものと車名以外全て撤去されている(クラウンでもフロントグリルとCピラーには付いている)。窓は全席手回し式となっている。また日産のエンブレムが楕円形となっている。MTが基本だがATもあった。YPY31は2度の大きなマイナーチェンジを受けているが中期型(91-95)はフロントグリルがオリジナル(営業車の最下級グレード)と同じだった。覆面の最終モデルはドアミラーが標準となり、オートカバーが装備された。また、中期型まではグロリアにもパトカー仕様があった(前期は5ナンバー枠で中期は3ナンバー枠)。こちらは2000ccで型式はYY31改であった。
当時の警ら車両には直列6気筒エンジン車ばかりが採用されていたが、三菱ではデボネア用の直6エンジンの生産をすでに中止しており、適当なエンジンを持っていなかった。しかし、ギャランΣに搭載されたアストロン・80シリーズは、直列4気筒エンジンに付きものの振動を打ち消すサイレントシャフトを備えており、直4エンジンながら制式な警ら車両として採用された経緯がある。
排気量は2500ccで駆動方式はFF。シグマパトカーの後継として登場した。パトカー用グレードとしては唯一のハードトップである。ホイールキャップこそないが、ドアミラーが装着されていた。先代のシグマとは違い、全国配備はされていない。市販では最初期のモデルにのみあった(1993年のマイナーチェンジで消滅)マニュアルが標準設定されていた。オートマチック車は市販車同様マニュアルモードがついていた。装備はシートはビニールだが、パワーウィンドウ、オートエアコン、ウッドパネルなど170系クラウンに近いものになっている。
パトカー・白バイに用いられる乗用車・バイク(自動二輪車)は(違反車・逃走車を迅速に発見・確保する目的から)一般の自家用車・企業の営業車より高出力・大排気量の大型エンジンを搭載している(覆面パトを含む警ら・交機・高速・機捜の各隊に属する車両がこれに該当。なお地域巡回を主とし緊急走行の頻度が低いミニパトの排気量・出力は一般車と同程度)。また一般の自家用車や企業の営業車と異なり、パトロール・取締は天候とは無関係に24時間年中無休で行われている。
このため警察官がパトカー及び白バイを運転する場合、(交通量が多く渋滞の激しい道路や住宅街等の狭隘道路においても)一般車両との人身・物損・接触事故を避けて周囲の交通に危険を及ぼすさずに事件・事故発生現場へ急行したり、挙動不審の車両・人物(特に指名手配犯や盗難届が出されている車両)を迅速に発見・追跡・確保出来るようにするため、(一般の自家用車・第二種免許を要する緑ナンバー車を含めた企業の営業車より)非常に高度かつ熟練の運転技能、及び臨機応変の判断力が要求される(ただ単に「普通・準中型・中型・大型・自動二輪・大型二輪の第一種運転免許を有している」のみではパトカー・白バイの運転不可であり、警察官は指定自動車教習所指導員以上の高度な運転技能を有している)。
よって、所轄の警察署内練習コースや運転免許試験場内コース等で(一般の自動車教習所より)高度かつ厳しい運転技能習熟訓練を長期にわたり積み重ね、かつその試験(検定)に合格しなければならない(訓練・試験内容は所属部署や車種により異なる)。また高速隊所属の警察官は(車両の排気量・出力が一般道路用パトカーより大きく速度も速いため)一般道路以上に高度な運転技能・体力・判断力が要求される。なお新人警察官は場内コースにおける走行訓練・教習のみならず、パトカー警ら中も先輩・上司警察官から運転技能等を徹底的に叩き込まれる。
さらに積雪の多い地方においてはスリップ事故を起こさぬよう、夏期の乾燥路面以上に慎重かつ迅速な運転が要求される。このため全警察官に対し冬道安全運転技能向上訓練が課されている。なお検定は1級〜4級まであり、緊急走行をする(サイレンを鳴らしパトライトを点灯させて走る)場合は2級以上の検定に合格しなければならない(3級以下は「緊急走行可能な車種と場面を絞る」という条件付きでの運転となるため、警察官としての守備=任務遂行範囲が狭まる)。またパトカー運転訓練指導員になるためには最も難関である1級の検定に合格する必要がある(これら技能検定は一般の運転免許技能試験より難しく、合格は狭き門となっている)。加えて(一般の「運転免許更新試験」にあたる)「パトカー及び白バイ運転技能考査」も毎年実施されており、これに不合格となった警察官はパトカー・白バイの運転が一定期間出来なくなる。
パトカー(緊急車両)運転資格の車種区分は各都道府県警により異なっており、警視庁の場合、運転資格は軽自動車限定とそれ以外の二種類であり、公用車の運転には緊急走行を行わない一般職員であっても同じ資格を取得しなければならない。技能試験は緊急車両向けの特殊な項目や高度な技術が必要なものは存在せず、免許試験場における普通免許の実技試験と全く同一の内容である。
パトカー・白バイの運転技能習熟訓練は「普通MT免許及び自動二輪免許を取得後2年以上経過し、かつ無事故無違反を1年以上継続」という条件を満たした警察官のみ参加可能(新人警察官は警察学校における研修期間中に「3級」までの取得を目標とした車両運転訓練を受ける。パトカーはMT車が大半を占めているためAT限定免許では原則運転不可であり、MT免許取得が最低条件)。また最も高度なパトカー及び白バイの運転技能と臨機応変の判断力を必要とする「高速隊」へ配属されるためには、一般道路を管轄する「交番」・「配属警察署交通課」・「自動車警ら隊」・「機動捜査隊」・「交通機動隊」などの部署で一定期間の実務経験及び運転経験を積む必要があり、高速隊への配属後も日夜厳しい訓練を積み重ねる。
現場でのパトカー運転及び取締・パトロール経験が豊富な(警察車両の使用頻度が高い部署=主に自ら・交機・高速の各隊に所属する)先輩ベテラン警察官が教官となって若手警察官へパト運転指導にあたる。特に前後左右の安全確認は(緊急走行時には一般車より速度が速い事から)一般車を運転する時以上に重要である。
警察・消防以外で緊急自動車を保有する企業(電力・ガス・水道・鉄道・通信事業者、輸血用血液供給センターなど)においても、(人身・物損・死傷事故を避けて安全かつ迅速に事故発生現場へ急行出来るよう)警察官ほどではないが(一般の自動車教習所より厳しく)高度な運転技能習熟訓練が必要である。
道路交通法41条3項により、パトロールカーのうちもつぱら交通の取締りに従事する自動車であって次の要件を満たすものは、次の交通規制からの除外対象となる。これは、緊急自動車として緊急用務のための走行でなくとも除外対象となる。
「全部若しくは上半分を白色に塗つた」事が要件であるため、上下白黒塗装や、覆面のうち白塗装は該当するが、それら以外の、上下白黒塗装または白塗装以外の車両や、一般捜査車両は上記に該当しない場合がある。
都道府県または方面公安委員会規則により、警察の使用する車両が道路標識等に基づく交通規制からの除外対象となる。これも同様に、緊急自動車として緊急用務のための走行でなくとも除外対象となる。東京都では都道路交通規則により、次の除外が規定されている。
ほか警衛列自動車及び警護列自動車(天皇及び皇族、警護対象者(内閣総理大臣、国賓、両議員議長、最高裁長官、国務大臣、公賓や公式訪問の賓客、元総理、政党代表者、大使など)[41]並びにその随員の乗車する自動車の一団が、警察用自動車により誘導又は追随の形で警衛、警護されている場合における警察用自動車を含めたすべての自動車列を言う)は、多くの交通規制、道路運送車両法規制の適用除外となっている。警衛・警護列自動車は緊急用務のための走行でなくとも除外対象となるが、警衛・警護運用中は通常赤色灯を付け緊急用務としている事が多い。
なお、通行止め規制または駐停車禁止規制の除外対象については関連各項目を参照のこと。
青色防犯パトロール(青パト)は、防犯活動を認められた団体が自主防犯パトロールとして実施を許可された青色回転灯装備の自主防犯活動用自動車で、一般自動車への青色回転灯装備は法令で禁止されているが、2004年12月1日(道路運送車両法の保安基準緩和)より、警察からの自主防犯パトロールを適正に行うことが出来ると証明を受けた団体は青色回転灯の装備が認められている。申請はパトロール地域を管轄する警察署を通じ行い、パトロール実施者証の交付後、約2年毎に青色防犯パトロール講習を受講しなければならない。また証明書発行より15日以内に地方運輸支局で、自動車検査証に自主防犯活動用自動車の記載を受ける必要もある。
ダイハツ・ミラジーノ(警視庁)
三菱・パジェロ(福島県警)
三菱・GTO(広島県警)
トヨタ・エスティマ(警視庁)
日産・サファリ(愛知県警)
日産・スカイラインR34GT-R(埼玉県警)
日産・スカイラインV35型(埼玉県警)
スバル・インプレッサWRX STi(埼玉県警)
マツダ・RX-8(警視庁)
スズキ・ジムニーシエラ (静岡県警)
日産・キューブ(兵庫県警)
スバル・レガシィB4(茨城県警)
日産・スカイライン350GT(研修用)
日産・スカイラインGT-Rオーテックバージョン(神奈川県警)
日産・マーチ(千葉県警)
三菱・ランサー(福島県警)
ダイハツ・ストーリア(石川県警)
スバル・インプレッサG4(山形県警)
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