ウッディ・プライド(Woody Pride)は架空のキャラクターであり、『トイ・ストーリー』シリーズの主人公である。背中にあるひもを引っ張った際に内蔵されたレコードから再生される「あんたは俺の相棒だぜ!」(原語版では"You're my favorite deputy.")が決め台詞。
概要
監督のジョン・ラセターは小さい頃から大切に持っていたキャスパー人形を元にウッディを創作した。しばしば日本語吹き替えを担当した俳優の唐沢寿明が見た目が似ているとよくいじられている。
特徴
昔ながらのカウボーイ人形で、アンディのおもちゃたちのリーダーでもある。アンディが幼稚園児の頃からお気に入りにしているおもちゃでもあり、ベッドの上に彼だけの場所を持っている。右足のブーツの裏にはアンディの名前が書かれている。
頭部や手足はプラスチックでできており、それ以外の部分は全て綿が詰まった布製。背中のひもを引くと内蔵されたレコードから録音された台詞を喋る。また、このレコードを通じて口を閉じたまま会話も可能であり、シドを懲らしめる際にこの手段を利用している。保安官バッジに牛柄のベスト、銃のホルダーを腰につけているが、銃は当初から付属されていない。トレードマークのテンガロンハットを大切にしている。
実は1950年代の人気テレビ番組「ウッディのラウンドアップ」(英語:"Woody's Roundup")の主人公だったことが『トイ・ストーリー2』で明かされる。
『トイ・ストーリー2』ではアル・マクウィギンの口から「オリジナルのハンド・ペイントの顔。天然染めの牛柄ベスト。手縫いのポリビニル製の帽子」と、彼についての証言がある。またウッディのベルトには銃の入っていないホルスターが付いている。
登場
トイ・ストーリーシリーズ
- トイ・ストーリー
- リーダーとしての役割を果たしていたが、当時最も人気のおもちゃだったスペースレンジャーのバズ・ライトイヤーがやってくる。ウッディはアンディはおろか、他のオモチャたちの注目まで集めたバズの人気に嫉妬し、アンディのお気に入りが彼になることを恐れる。
- あるとき誤ってバズを窓から放り出してしまう。その日アンディはおもちゃを1つだけ持ってピザ・プラネットへ出かける予定だったため、仲間たちからウッディがわざと放り出したのだと疑われてしまい、他のおもちゃ達との関係が険悪に。その後ウッディはアンディの車の中でバズと再会するが、バズとも喧嘩になり、成り行きでおもちゃを破壊して楽しむシドの家に連れて行かれてしまう。
- 当初は、自分がおもちゃである自覚のないバズと対立していたが、先述のバズに対する愚行から仲間の信頼を失った後悔、シドの家にいた善良なオモチャ達を見掛けで判断して悪く言ったにもかかわらず、そんな自分たちに優しくして仲間と認めてくれた感謝、そしてバズ自身が自分の間違いを認めた姿勢を見たことから、自分自身も反省をして落ち度があったことを認め、それ以来はお互いを必要とする親友になった。そして、シドの実験台として連れて行かれたバズを救うためにシドに改造されたおもちゃたちと共にシドを懲らしめ、バズを救出する。バズからは「保安官」と呼ばれることが多い。
- トイ・ストーリー2
- 本作ではアンディはウッディとバズを平等にお気に入りとして扱っているため、バズと対立することはなくなった。本作ではバズからは「カウボーイ」と呼ばれることが多い。
- ある日、ヤード・セールで仲間のウィージーが売られることになり、ウッディはアンディの愛犬バスターに乗って救出に向かった。計画は途中まで上手くいっていたが、ウッディは振り落とされ貪欲なおもちゃコレクターのアルに見つかり、売るのを拒否したママの隙を見て盗まれてしまう。
- 彼のマンションでウッディは、おもちゃのジェシー、ブルズアイ、プロスペクターに出会い、自分がかつて人気を誇った人形西部劇番組“ウッディのラウンドアップ”の主人公であり、商品価値の高いプレミア人形だったことを知る。
- そして彼は自分が日本の博物館に売られることを知りバズとアンディのおもちゃ達に助け出され、ジェシー、ブルズアイと共に脱出する。
- 本作ではジェシー達と出会ったことでいつか自分もアンディに必要とされなくなる日が来ることを恐れながらも、バズの言葉で自身の存在意義を見出していく様子が描かれている。長年アンディと遊んできたため痛んできており、序盤で肩の縫い目が裂けてしまったが、途中でアルの計らいで修理されたため肩以外は新品同様になった。
- トイ・ストーリー3
- アンディは17歳になり、じきに18になり大学へ行く準備をしていた。一方で、ウッディと仲間たちは先行きを考えて悲嘆にくれた。アンディはウッディだけ大学に持って行くことにし、大学行きの箱に入れ、残りのおもちゃは袋に入れられて屋根裏部屋へ運ばれることになる。だが、アンディのママはゴミと勘違いし、その袋をゴミ捨て場に出してしまう。ウッディは、アンディが袋を屋根裏部屋に置こうとしていたところを見ていたため、袋から抜け出した仲間に説明した。しかしおもちゃたちは「捨てられた」と言って信じてくれなかった。そして彼らは皆「サニーサイド保育園」(見かけ上は楽園だが、そこは前の所有者に捨てられた熊のぬいぐるみ「ロッツォ」が支配するおもちゃの悪夢だった)に運ばれていった。アンディへの誤解が解けた彼らは幼稚園から脱走し、間一髪の所で焼却を免れてから家に帰る。
- 家に戻ったウッディは自分だけがアンディと共に大学へ行くことに躊躇し、メモ用紙にボニーという少女の住所を書き、段ボール箱に貼り付けた。アンディはバズやジェシーら他のおもちゃをボニーにプレゼントし、最後にウッディが入っている事に気付く。最初はこれに驚いていたアンディだったが、ウッディとの思い出を話していくのち、決断を下す。そしてボニーが了承し、遂にウッディとアンディが別れを告げる事となる。最終的にはクレジットで見られるように、ウッディもボニーのおもちゃたちに受け入れられ新たな生活を送ることになった。
- 前作を経て、必要とされなくなってもなおアンディに忠実に尽くす強い意志を持ち、今まで以上に仲間想いの面が強調されており、アンディにも「ウッディの1番素晴らしいところは…何があっても、仲間を見捨てないところなんだ」と語られている。
その他の登場
『バグズ・ライフ』のNG集のスタッフ役でカメオ出演している。また、ジム・ハンクスが声を務めた『スペース・レンジャー バズ・ライトイヤー 帝王ザーグを倒せ!』にも、『スペース・レンジャー バズ・ライトイヤー』の冒頭シーンでカメオ出演している。
『カーズ』のエンディングの小さなステーションワゴンの場面にも出ている。正式な続編で『カーズ2』と同時上映の『ハワイアン・バケーション』、『ザ・マペッツ』(日本では『メリダとおそろしの森』)と同時上映の『ニセものバズがやって来た』にも出演した。そして3D版『ファインディング・ニモ』上映と同時に『レックスはお風呂の王様』が上映される。
エディオングループはウォルト・ディズニー・ジャパンと広告契約を締結している為、当グループのマスコットキャラクター「エディ店長」がウッディに類似している。[1]
2009年8月、リー・アンクリッチはウッディの正式な名字は“プライド”("Pride")であると明かした。アンクリッチは自身のTwitterで“ウッディの本当の名前は「ウッディ・プライド」でありトイ・ストーリーの初期段階からの設定である”と発言した。[2]
担当声優
- 英語版
-
- 日本語吹替版
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台詞
ウッディの背中のひもを引くとしゃべる台詞:
- 「あんたは俺の相棒だぜ!」("You're my favorite deputy.")
- 「銃を捨てろ、手ぇあげな!」("Reach for the sky!")
- 「この町は俺たち2人が住むには狭すぎるぜ!」("This town ain't big enough for the two of us!")
- 「ならず者をやっつけに行く前に、ちょっと歌を歌うぜ!」("I'd like to join your posse, boys, but first I'm gonna sing a little song.")
- 「やられたぜ!汚ねぇ手使いやがって!」("Somebody's poisoned the water hole.")
- この台詞の日本語吹き替え版は『3』では「誰かが毒を泉に入れたな!」と、原語版に近い台詞になっている。
- 「俺のブーツにゃガラガラヘビ!」("There's a snake in my boot!")
- この台詞の日本語吹き替え版は『1』と『2』では高めのトーンで喋っていたが、『3』では少し低めのトーンで喋っている。
- 「イ~ヤッホー!ハイヨーシルバーこの馬車を止める訳にはいかねぇんだ!」("Yee-haw! Giddyup, pardner! We've gotta get this wagon train a-movin!")
レゴのセット
2009年後半、レゴからトイ・ストーリー商品の第1弾として“ウッディのいっせいけんきょ”(Woody's Roundup!)が発売された。これにはウッディ、ブルズアイとジェシー、プロスペクターのミニフィグ、保安官事務所、刑務所、鉱山が付属する。
2010年初頭、“ウッディとバズが救出に出動!”(Woody and Buzz to the Rescue)を発売した。これにはプルバックのレーシングカーにウッディのミニフィグ、背中にロケットをつけられたバズのミニフィグが付属する。
2010年4月下旬、レゴは『トイ・ストーリー3』をベースにしたセットを発売した。“ゴミ処理場からの脱出”(Trash Compactor Escape)、“ウェスタン・トレインの追跡”(Western Train Chase)などである。
評価
ウッディの声を務めたトム・ハンクスは映画評論家から高評価を受ける。「USAトゥデイ」のスーザン・ウォスクジーナはトム・ハンクスをリーダー役に選んだ事を評価した。[5]「ロサンゼルス・タイムズ」のケネス・トゥランはトム・ハンクスについて“ウッディにとても重要な影響力と信憑性を表現している”と述べた。[6] 2010年6月、「エンターテイメント・ウィークリー」はウッディを、過去20年間で最も偉大な100人の映画キャラクターの1人に選ばれた。[7]
脚注
- ^ こちらを参照。
- ^ “Twitter”. 2009年8月2日閲覧。
- ^ 『3』までは本編のみだったが『4』以降は予告編の吹き替えも担当。
- ^ 『別冊映画秘宝 吹替洋画劇場』洋泉社、2003年6月。
- ^ Wloszczyna, Susan. “Toy Story”. USA Today. http://www.rottentomatoes.com/m/toy_story/?critic=creamcrop#contentReviews 2009年3月11日閲覧。
- ^ Turan, Kenneth (1995年11月22日). “Toy Story”. Los Angeles Times. オリジナルの2006年12月2日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20061202120840/http://www.calendarlive.com/movies/reviews/cl-movie960406-39,0,1420921.story 2009年3月11日閲覧。
- ^ Adam B. Vary (2010年6月1日). “The 100 Greatest Characters of the Last 20 Years: Here's our full list!”. Entertainment Weekly. Time Inc.. 2012年7月7日閲覧。