Our 3D CAD supplier models have been moved to 3Dfindit.com, the new visual search engine for 3D CAD, CAE & BIM models.
You can log in there with your existing account of this site.
The content remains free of charge.
この項目では、有人宇宙船について説明しています。ソユーズ系ロケット統全般については「ソユーズロケット」を、初代ソユーズについては「ソユーズ (ロケット)」をご覧ください。 |
ソユーズ宇宙船 | |
---|---|
ソユーズTMA-7 | |
詳細 | |
用途: | サリュート、ミール、ISSへの宇宙飛行士の往還に使用。元々は有人月飛行を目的に開発された。 |
乗員: | 3人(時期によっては2人) |
寸法(TMA型) | |
全高: | 7.48 m |
直径: | 2.72 m |
体積: | 7.2 m³ |
性能 | |
滞宙時間: | ステーションにドッキングした状態で6ヶ月 |
ソユーズ(ロシア語: Союз)は、ソビエト連邦およびロシア連邦の1 - 3人乗り有人宇宙船である。2人乗りボスホート宇宙船に続くもので、ソ連の有人月旅行計画のために製作されたが、結局有人月旅行計画は実現されなかった。
当初はソ連の宇宙ステーション「サリュート」や「ミール」への連絡に使用され、登場から40年以上経た21世紀でも、国際宇宙ステーション (ISS) へアクセスする唯一の有人往復宇宙船、およびステーションからの緊急時の脱出・帰還用として、現役で使用されている。
名称の「ソユーズ」は、ロシア語で「団結、結合」という意味で、ほかに「同盟」、「連邦」、「連合」、「組合」という意味も持つ。ロシア語本来の読みは「サユース」が近い。
軌道上での状態のソユーズ宇宙船は機体前方から見て、ほぼ球形の軌道船・釣鐘型の帰還船・円筒形の機械船の3つからなる。3つのモジュールのうち地上まで帰還するのは帰還船のみで、他のモジュールは再突入の際に切り離して、大気圏に突入して燃え尽きる。
機体の大きな特徴は機械船の側面に二枚ついた太陽電池パネルであり、宇宙空間で自力発電することによって使用電力を補っている。ソユーズ初期型は計画変更に伴う数回のマイナーチェンジを経て1967年4月の1号から1981年5月の40号まで運用された。1979年12月には改良型のソユーズTが登場、T-1からT-15まで運用された。この機体は宇宙ステーションとドッキングすることを前提としており、太陽電池パネルを設置していない機体が多い。1987年にはさらなる改良型のソユーズTMが登場、TM-1からTM-34(2002年)まで運用された後、2002年10月から改良型のソユーズTMAが運用され始めた。2010年10月初めにはソユーズTMAをデジタル制御化したソユーズTMA-Mがデビューした。2016年7月には最後の改良型となるソユーズMSが運用開始した。
TMA型またはTMA-M型に乗ることができるのは以下の条件を満たした者に限られる[1]。
また、ソユーズとほぼ同型だが地上帰還能力や生命維持機構を搭載しない、輸送船に特化されたタイプである「プログレス」がある。こちらもサリュート時代から使用されており、食料や酸素、推進剤、予備品などの物資輸送に活躍している。初代プログレスは42号まで、改良型のプログレスMは67号まで、プログレスM1は11号まで使われ、最新型はプログレスM改良型が使われている。
ソユーズMSは最後の改良型とされており、その後継には2018年現在開発中の新型宇宙船フィディラーツィヤが当てられる予定である[1]。
機体前方から見て一番前に存在する、球形をしたモジュール。
軌道上で乗員が主に活動するモジュールで、実験用の機器・船外活動のための気密室があり、エアロックが使われたのはサリュート6とドッキングするようになる前の初期の話である。打ち上げ前にクルーがソユーズに乗り込む際のハッチは軌道船にあり、軌道船内からもう一つハッチを経由し帰還船の座席に座る形となる。そのほか、ソユーズ同士や、ミールやISSといった宇宙ステーションなどとのドッキング装置も有する。イラストにある出っ張りは、ドッキングする際に使用するレーダーである。これはソユーズTのものであり、以後は出っ張りはなくなった。その他トイレなどもこの軌道船に備え付けられている。
大気圏再突入の際は、帰還船と切り離され、燃え尽きる。
乗員が打ち上げと再突入の際に乗る、釣鐘型をした部分。1 - 3人乗りで、中で乗員は足を集めるように扇形に座る。
大気圏再突入のために機械船から分離された後は、過酸化水素を利用した一液式スラスタを用いて適切な姿勢を維持し、突入時の最大加速度を軽減する。再突入の際は格納されたパラシュートを開いて減速し、地上約0.8mまで降下した時に、帰還船の下に取り付けられた小型の固体逆噴射ロケットによって、エアクッション効果を利用して着地の衝撃を和らげる[2]。
帰還船の表面はアブレータによりコーティングされている。これはちょうど接着剤が固まったようなもので、化学繊維に含浸させて固めることにより強度を維持している。再突入時にはアブレータ自体が溶けて熱分解する際の融解熱と分解熱、および炭化したアブレータによって内部を保護する。アメリカのスペースシャトルに使われている耐熱タイルのように繰り返し使うことは出来ないが、耐熱タイルほど脆くない上に、ソユーズカプセル自体が繰り返し使うことは考えられていないため、問題はない。軌道飛行時にはアブレータの上を8枚の断熱ブランケットが覆っている。これは軌道飛行時に帰還船を高温・低温・塵から保護するためのものであり、大気圏再突入前のモジュール切り離しの際に外される。
なお乗員は3人と言っても、初期のソユーズは3人乗ると狭いため、帰還時に与圧服は着ていなかった(2人で乗れば着用は可能だった)。しかし、ソユーズ11号で帰還時に帰還船の空気が漏れ、上空で乗員が3人とも窒息死した事故の後は、安全のために与圧服を着るようになった。これに伴い一時的に乗員は最大2人に減らされたが、1976年に登場した改良型のソユーズT型から、与圧服を着た状態で3人が搭乗可能になった。
軌道上で一番後部にある、円筒形のモジュール。
姿勢制御スラスタや、軌道制御と大気圏再突入時に使うメインエンジン1基およびそれらの燃料タンク、さらには飛行士の生命維持のために必要な酸素や水などが搭載されている。推進剤はヒドラジン系(非対称ジメチルヒドラジンと四酸化二窒素)を用いる[2]。名前の通り機械類専用のモジュールで、人が入るスペースはない。機械船の大きな特徴は横に長い太陽電池パネルで、打上げ時にはこれは折り畳まれて格納されており、軌道投入後に展開される。
軌道船と同じく、大気圏再突入の際に切り離され、空力加熱により燃え尽きる。
宇宙船内の空気は、地上の大気組成にほぼ等しい80%の窒素と20%の酸素の混合ガスを、1気圧に保っている。これは「ボストーク」以来のソ連・ロシアの宇宙船の伝統である。アメリカではアポロ計画のアポロ1号の地上試験時に純粋酸素に起因する事故が起こるまでは船内気圧を減圧して100%純粋酸素を船内に充填していた (ただし、0.2気圧の酸素である。ヒトが生存するためには酸素分圧が0.2気圧あればよいので、0.8気圧分の窒素を搭載しないことで数百グラムは軽量化できる)。なお、ソユーズの3つのハッチ(ドッキング部、軌道船のクルー乗り込み口、帰還船のハッチ)はすべて内開きの構造になっている。
ソユーズの打ち上げには、通常R-7(ロシア語 Р-7)というミサイルを改良した11A511型ロケットが使われる。11A511とはロシア国防省内のGRAUによる名称であり、アメリカ議会図書館ではA-2と命名しており、この呼称のほうがよく知られる。ソユーズ宇宙船と合わせソユーズロケットとも呼ばれる。
R-7の改良型はスプートニク1号やユーリ・ガガーリンも乗ったボストークを打ち上げた実績を持っている。A-1(ボストーク、ルナロケット)やA-2を含むA型ロケットは、もともとはR型ミサイル、すなわち大陸間弾道ミサイルとして開発されたものであり、A-2から宇宙船を外せばそのまま核弾頭を搭載して北米に撃ち込むことができた。同様にアメリカでも、マーキュリー宇宙船を打ち上げたレッドストーンも短距離弾道ミサイルだったことなどから、宇宙開発がどれだけ軍拡競争と密接な関係にあったかが伺える。
A-2も随所に改良点はあるものの、ケロシンと液体酸素を燃料としたり、第2段ロケットの周りに4本の第1段ロケットを取り付けるクラスター構成など、基本的なシステムは初期のR-7から代々受け継がれている。
アメリカ側では第1段の4本のロケットは補助ロケットブースター(第0段)と見なしており、この場合中央の第2段ロケットが第1段となる。
ソユーズロケット (A-2) 一覧
ソユーズ宇宙船の打上げには、16号からTM-34まではソユーズUロケット、TMA-1からは改良型のソユーズFGロケットが使われている。一方、プログレス補給船の打上げには数機がソユーズFGロケットの試験を兼ねて打上げられたのを除き、ソユーズUロケットが使い続けられている。
アメリカや日本では、ブースターと1段ロケットと呼ばれているものは、ロシアでは1段ロケットと2段ロケットと呼ぶ。A-2では、第1段も第2段も、4基の燃焼室と、その周りにある姿勢制御のための補助エンジン(バーニアエンジン)からなる。2段はRD-108、1段はRD-107エンジンを使用。補助エンジンは第2段に四方に合計4基、第1段には外側に2基装備されている点がRD-107とRD-108エンジンの違いである。
メインエンジンのノズルは固定されているが、補助エンジンにはジンバル機構(ノズルの向きを傾ける機構)が備わっており、これを動かすことによってロケットの姿勢を制御する。4基の燃焼室からなるメインエンジンの燃料を送るポンプは1基だけで、ポンプの先の燃焼室とノズルが4基になっている。こうすることで燃焼室1基あたりの圧力を下げることが出来るため、圧力に対する耐久力の設計を低く抑えられる。
そして第2段の上にトラス部分を経て第3段ロケットが搭載され、さらにその上にソユーズ宇宙船やプログレス補給船が搭載される。トラス部分が存在するのは、切り離しに先立って第3段ロケットを点火してトラス部分に噴射することで第2段ロケットとの距離を確保して衝突を防ぐためであり、ソビエト連邦の多段式ロケットの多くに採用されている機構である。実際ソユーズ18号では切り離し機構の故障により切り離しに失敗したが、第3段ロケットの推力で切り離し機構を焼き切ることで切り離しに成功し地球に生還することができた。
ロケットの頂部には空気の流れを整えるためにフェアリング(カバー)と、最上部にはアポロ宇宙船などと同様のアボートタワーが取り付けられる。これらは第1段ロケット分離前後に大気圏上層部で外される。
これら全て合わせると、最大で直径10.3m、全長49.3m、重量310トンになる。
A-2の打ち上げでユニークなのは、打ち上げまでロケットを保持していた支柱が、ロケットエンジンに点火されると同時に花びらのように開く方式である。こうなったのはロケットの軽量化が原因である。
第1段ロケット4本を外部に設置した中央の第2段ロケットは軽量化の結果、構造的に第1段ロケットの重量を支えることが出来なかったため、トラス構造の頑丈な支柱に第1段ロケットが吊り上げられた状態で発射される。この方式はチュルパン(Tyulpan、チューリップ)発射方式と呼ばれ、レニングラード金属鋳造工場 (LMZ) で設計された。ロケットのエンジンが点火され、第1段ロケットの推力が上がりそれ自体の重量を支えられるようになると(すなわち「エンジン出推力重量」となると)、第1段ロケットを支持する4つの支柱が離れ外側へ倒れこみ、ロケットは上昇を開始する。この光景はロシアのロケット発射に固有の風景である。西側のロケットではブースター重量を第1段が支持できるためこのような構造は見られない。
打ち上げから114秒後にアボートタワー、118秒後に第1段ロケットを切り離し、さらに加速。157秒後に大気圏上層部でフェアリングを分離し、さらに打ち上げから287秒で第2段を切り離し、第3段に点火。最終的に発射から528秒後、ソユーズ宇宙船が地球周回軌道に投入される。
※打ち上げロケット (A-2) についてはR-7 (ロケット)のページも参照のこと。
現役の有人宇宙船としては長年の改良の結果、安全で経済的であるとされ、極めて高く評価されている。商業用の宇宙観光が全てソユーズで行われたのもこの為である。特に、1981年の初飛行以来2度死亡事故を起こした「スペースシャトル」に比べ、ソユーズの基本設計はハイテク機器でもない「枯れた技術」の宇宙船であるが、極限まで改良が進んでいるため、確立された性能を誇る。既に30年以上に渡って宇宙飛行士の死亡事故を起こしておらず信頼性は極めて高い。現在では西側の多くのロケットが周囲にブースターを多数配置する設計を模倣している。
スペースシャトルに比べて、ソユーズが有利だと言われている主な理由に、次のようなものが挙げられる。
なお、わざわざ信頼性を再実証するリスクを背負ってまで新規に設計する必要が無い部分については可能な限り引き継ぎながらも、技術や素材の進歩を取り入れるなど、必要に応じた機体構造やコンポーネントの改良や更新は常に行われている。またロケット全体を更新せず、部分的に改良・更新を重ねていくスタイルは、欧米のロケットも基本的に同様である。
現行のソユーズは軌道上の宇宙への到達および、ミールや国際宇宙ステーション等宇宙ステーションとの人員往復が目的であり、軌道上の実験プラットフォームであるスペースシャトルとは目的・設計運用思想が異なっている。シャトルは衛星軌道上の実験衛星を実験終了後、機体を地球に持ち帰るような、ソユーズでは不可能なミッションも行う事ができる。そのため、スペースシャトルとは単純に優劣を比べることはできない。
また、ソユーズが開発された当初の60年代から80年代までは、致命的な事故を何度か経験しており死者も出している。現在のソユーズの安全性は、それら過去の失敗経験をフィードバックしたものである。
これらの事実を考慮しても、人員に対する安全性というソユーズの優位性は、揺るぎないものである。
NASA作成の資料では「RKKエネルギアのソユーズ宇宙船の『7600万USドル(約84億円)/人』の打ち上げ費用と比較して、民間宇宙企業スペースXのドラゴン2宇宙船の打ち上げ費用は「5800万USドル(約64億円)/人』と低価格で経済的である」と記述されている[3]。
なお、ソユーズが現在も宇宙開発の第一線にある現状は、ソユーズの後継として計画されたプロジェクトが全て頓挫した結果であるとも言える。
ソユーズ宇宙船の後継としては、2018年現在新型宇宙船フィディラーツィヤが開発中である[1]。ソユーズ宇宙船の後継となる有人宇宙船は過去も何度か提案されたが、失敗が続いた。ソビエト連邦はブランと呼ばれる再使用型宇宙往還機を1988年に無人飛行させたが、ソ連崩壊とロシアの財政難が重なり放棄された。スペースシャトルを運用していたNASAも2011年7月の飛行を最後にシャトルを退役させたため、ブランタイプがソユーズの後継となる可能性も低い。ロシアは2006年、新型の宇宙船としてクリーペルと呼ばれる小型の翼が付いた宇宙船を開発中であると発言したが、結局、計画のみで終わった。
なお、ソユーズロケットは、現在はバイコヌール宇宙基地(ソユーズ宇宙船、プログレス補給船の打上げはここからのみ実施)と、プレセツク宇宙基地から打ち上げられているが、2011年10月以降は南米のギアナ宇宙センターから商業打ち上げ用のソユーズSTロケットを打ち上げている。さらに東シベリアの基地に射場を整備する計画が進められており、当初は、最初の無人ロケット打ち上げが2015年、有人宇宙船打上げが2018年に行われ、同宇宙基地が完全に完成するのは2018年となる予定であった[4]が、予算配分をめぐる対立から着工の遅れが報じられたこともあった[5]。そのような中、このボストチヌイ宇宙基地において、2016年4月28日、現地入りしたプーチン大統領が見守る中、第1号となるソユーズ 2.1aロケットの打ち上げを実施し、衛星の軌道投入に成功した[6]。
ソユーズ宇宙船はスペースシャトル以上の安全性と信頼性から、史上最初の、そして2009年までは唯一の民間人が宇宙旅行を行える手段でもあった。
ロシア連邦宇宙局は政府の財政難のため、国際宇宙ステーション (ISS) と往復する「ソユーズの座席」を世界に向けて販売していた。2001年4月28日にアメリカの富豪であるデニス・チトーを約2000万ドル(2001年当時のレートで約24億円)でソユーズTM-32により宇宙に1週間滞在させたのを皮切りに、世界各国から募った民間人を宇宙まで打ち上げたが、ISSの滞在人員拡大に伴い2009年9月打ち上げのTMA-16で終了した。
なお一般公募によるものではないが、チトーが宇宙に行く11年前の1990年12月2日、すでに日本のTBS社員(当時)の秋山豊寛が、TBSが費用(約1400万ドル)を負担することでソユーズTM-11に乗って宇宙に行っている。自費で宇宙に行った民間人を宇宙旅行者とした場合、その最初はチトーだが、民間の費用で宇宙に行った人物を宇宙旅行者とした場合には、秋山が最初となる。
便宜上、ソユーズ宇宙船以外の記事にも触れる。
初期のソユーズ7K-OK。レスターのイギリス国立宇宙センターにて
アポロ・ソユーズテスト計画 (ASTP) で使用されたソユーズ19号
ミールと接続したソユーズ
発射台へ移動するソユーズTM-31、2000年10月29日
ソユーズTMA-2の打上げ。2003年4月26日、バイコヌール
ケネディ宇宙センターに展示されているソユーズ宇宙船
ウィキメディア・コモンズには、ソユーズ(ロケット)に関連するメディアがあります。 |
This article uses material from the Wikipedia article "ソユーズ", which is released under the Creative Commons Attribution-Share-Alike License 3.0. There is a list of all authors in Wikipedia
planet,jupiter,erath,mars,venus,moon,astronomy