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風船(ふうせん、balloon(バルーン))とは、ゴムや紙、ビニールなどで作られた袋の中に気体を入れて膨らませて使われる玩具である。気体が水素やヘリウムといった浮揚性のあるガスの場合には、さらに持ち手となる糸やリボンを装着することがある。
風船は玩具のほか、販促(PR)、ギフトやイベントなどのバルーンデコレーション・風船飛ばし(バルーンリリース)、スポーツ応援、大道芸を含むバルーンアート、手品、科学実験イベント、風船バレー・風船割りなどのレクリエーションスポーツや遊戯施設、食品包装、医療分野などに使われているが、もっとも用途が広いのはゴム製の風船である。
また、風船の同義語として用いられる「気球(ききゅう)」という名称は、気象観測用ゴム気球やアドバルーンと呼ばれる気球広告、乗用の熱気球など、より実用的な用途のものに対し用いられることが多い。
なお、日本の大正・昭和期の文学作品に登場する「風船玉」という言葉は現在のゴム風船のことである。
現在風船を示す場合、ゴム風船かマイラーバルーンを示す場合が多い。
ゴム風船とは、天然ゴム(ラテックス[1])を原料に作られた伸縮性の大きい風船の総称で、バルーン業界では ラテックス風船・ラテックスバルーン(Latex balloon)・ラバーバルーン(Rubber balloon)と呼ばれることが多い。
ゴム風船のサイズは日本国内に出回るバルーンアート用をはじめとするゴム風船の多くが海外のバルーンメーカーのブランド製品が多用され、また多くが製造拠点も海外にあることから、吹後の横幅をインチ(1インチ=2.54センチメートル)単位、また大型の風船はフィート(1フィート=30.48センチメートル)単位でヤード・ポンド法表記されることが多い。また一部の日本製の風船は「号」「寸」「丸」や「二寸六分」「千丸」など独自のサイズ規格で表記される。なお小口で市販されるパーティーグッズ用の商品にはセンチメートルなどメートル法単位でも表記されるが、玩具用途の商品ではサイズ表記も無いことも少なくない。
市場には9インチ(約23センチメートル)から11インチ(約28センチメートル)程度の大きさの風船が最も出回っている。しかし商品に明記されるサイズはあくまでも目安である。それは市場に出回る数多くのゴム風船は現在では風船型の浸漬[2]をはじめ多くの工程を機械化したオートメーションで製造されるが、各メーカーごとに風船の製造法が異なることや、着色や加硫に必要な加熱の時間を短縮させるために入れられるゴム添加剤[3]の配合が違うため、ゴム膜の厚みや伸張率、膨らましやすさなどゴム風船の特性に少なからず影響を与え、さらに製品には経年変化による劣化の影響もあるからである。
また市場に出回ることは多くないが、ハンドメイド(手作り)で製造されるゴム風船もあり、同じサイズで納品される商品でもゴムの厚みなどにばらつきが出やすいが、一方でゴム風船の特性の微調整が可能で、幼児でも膨らますことのできる玩具の毛笛用風船は職人の手作りにより製造されている。(毛笛の笛は市販の強度のある風船に付け替えてもうまく音が出ない。)
ゴム風船は通常は規定サイズを超えて膨らませ続けると口元の方に向かって膨らみ洋梨状となり、ついには大きな音を出して破裂する。また風船を針などで刺すとその穴から一気に破裂する。ゴム膜がはじけ飛ぶ運動は瞬間的であるため、高速度撮影(ハイスピードカメラ)の恰好の素材であり、また風船の破裂音はピストルの号砲音と共に単発音源にも使われることがある[4]。バルーンアートを行う人は割ることも仕事であり破裂音になれている人が多いが、健常な聴覚を持つ一般人の多くは花火やピストルの音などと同様に近くで風船の割れる音に反応し、中には精神的に不快に感じたり、風船嫌いや風船恐怖症のように風船の割れる音に恐怖感を催す人もいる[5]。
ゴム風船の色についてはバルーンアート用途の商品において特に種類が多く、その質感から次のように大別されるがメーカーにより呼称も違うことがある。 またメーカーにより独自のバリエーションのカラーシリーズ[6]が設定されていることもあり、同じメーカーの同じ色の銘柄であってもカラーシリーズの違いにより色感が違うことも多い。
ほかにも、マーブル(大理石模様)、アガット(メノウ模様)や後述のパンチバルーン(羽衣風船)のように複数の色の液体が絡み合ったようなデザインの商品もあり、こちらは風船の型を複数のゴム液に浸漬して製造される。またヨーヨー風船に描かれた不規則な曲線模様は、半製品の付いた風船型を着色したゴム液に回転させながら垂らし落とすことにより製造される[7]。
なお複数の色の商品を詰め合わせた商品はアソート(アソートメント)と呼ばれる。
そのほかオリジナルの動物の漫画の書かれたマンガ風船をはじめ、規則的に水玉や星など配置したものや地球儀などバルーンアートや装飾に多用されやすい柄、誕生日、季節行事、周年行事、結婚式などで汎用的に使いやすいデザインを印刷した出来合いの印刷風船はプリントバルーンという。
プロ野球球団の名入りジェット風船やアニメなどの著名なキャラクターなどが印刷されたものは各団体や玩具メーカーのグッズとして市販されている。(企業名などのオリジナル印刷の風船については名入れ風船についての項を参照。)
ゴム風船は膨らまし、しぼませることを数度繰り返すとゴム膜が伸びやすくなり、新品の風船より大きく膨らませることができるが、耐久性は低下する。また膨らませたゴム風船を屋外の直射日光や排気ガスなど煤煙や塵埃の多い場所やエアコンなど通風の多い場所に放置すると、紫外線や酸化のほか塵埃の付着などでゴム膜の劣化が早まり、膜のつやや光沢、透明感を失い色が白みがかり破裂することがある。そのほか直射日光や強い照明による熱で風船の中のガスが膨張し破裂を引き起こすこともある。
ガス風船とは、一般には浮揚性のある水素ガスやヘリウムガスを注入したゴム風船やマイラーバルーンのこと。
日本では昭和末期までは風船配布や風船飛ばしに水素ガスが用いられることが多く、水素を入れたアドバルーンやガス風船が爆発事故を起こすことは珍しくなかった(1953年の銀座チョコレートショップ爆発火災など)。水素を入れた理由として、ヘリウムガスより水素ガスのほうが浮きやすく、日本は国内でヘリウムを産出できず高価な一方で、石炭ガスなどから精製できる水素ガスが安価だったことがある。しかし現在では引火による爆発の危険を排する目的から、業界内の自主的規制により特別な事情がない限りヘリウムガスが使用される。
ヘリウムを入れた浮く風船は、デパートの催事や遊園地などで子供用の玩具として配られたり販売されることが多い。ヘリウム入りの風船を膨らまし配布する作業を効率よく行うためにひもやリボンの付いた風船用資材が多く作られており、風船の口を巻き付けて固定するプラスチックや紙製の止め具をクリップ、ゴム風船の口にはめた状態でガス注入ができる逆止弁付きの止め具をバルブと呼ばれ、このクリップやバルブを用いたヘリウム入り風船の配布は数多く行われている。
配布用のゴム風船は球形(ラウンド型)では9インチや11インチのサイズが一般的。なお7インチや5インチなどの小さいサイズの風船は、風船に入れるヘリウムガスの浮力が風船自体の重さに負けて浮かないため浮揚目的では使用されない。
ガス風船には浮力があり、球状の風船本体のみでは扱いにくいため、持ち手となる糸やリボンが取り付けられることが多い。風船棒と呼ばれるプラスチック製の棒が取り付けられることもある。また、子供などが誤って空に飛ばさないように、浮力を相殺するだけの重量のおもりが取り付けられることもある。後述するが、特にマイラーバルーンでは、素材が生分解されないために、ほぼ必ずといっていいほどおもりが装着され、リリースされることを防ぐようになっている。
ゴム風船にヘリウムを充填すると時間の経過とともに、ゴム膜の分子の間からヘリウムが抜けていき、やがて浮力を失いしぼんでくる。以下に、ヘリウムガスを充填したラウンドバルーンの浮力、ガス量、浮揚時間の目安を示す[8][9][10]が、ゴム風船のガスの抜けやすさは注入するガスの種類によっても異なる[11]。
直径 | 浮力 | ガス量 | 平均浮揚時間 |
---|---|---|---|
9インチ(23センチメートル) | 5.67g | 7リットル | 6 - 8時間 |
11インチ(28センチメートル) | 9.92g | 15リットル | 10 - 12時間 |
16インチ(41センチメートル) | 34g | 42リットル | 20時間 |
3フィート(91センチメートル) | 339g | 425リットル | 3 - 5日間 |
上記のゴム風船の浮揚時間はゴム膜のガスバリア性を高めるコーティング剤[12]の使用や、ガスバリア性の高いフィルムバルーン[13]の中にゴム風船を入れて膨らませるインサイダーバルーンの手法により伸ばすことは可能である。ヘアスプレーを膨らませた風船の表面に吹きかけるのも、浮楊時間を延ばすのに効果がある。[1]
ヘリウムガスを注入する方法としては、主に以下の方法がある。
なお、日本には無人でヘリウムガスを風船に自動的に注入し販売する自動販売機があり、ゴム風船を販売するファンキーマルーン(池本車体工業)、マイラーバルーンを販売するアルミバルーン完全自動販売機(ハンダ)などがある。
2012年には、世界的なヘリウム供給不足が発生した。原因は、アメリカでの設備トラブル、新興国での需要増などが考えられている[15][16][17]。このため、東京ディズニーリゾートでは2012年11月21日からパーク内でのヘリウム風船の販売を休止した[18]。
水風船とは、水を入れて使う用途に使われるゴム風船および水を入れた風船の総称である。一般に水を多く入れた風船は落下させるなど衝撃を与えると大きく変形し破裂しやすい。またアイスクリームやようかん、プリン、豆腐などを入れる食品包装用のゴム風船もある。ヨーヨー風船には塩化ビニール製、熱可塑性エラストマー(TPE)のものも登場している。
マイラーバルーン(Mylar balloon)とは、ポリエステル・ポリエチレン・ナイロンなどの素材にアルミニウムを蒸着させたフィルムに逆止弁を付けて貼り合わせたバルーンのこと。
マイラー™(Mylar™)は米国デュポン社の強化ポリエステル(PET)製フィルムの商品名であるが、視覚的に金属質の光沢があることから別名UFO風船・アルミ風船・メタリック風船(メタリックバルーン)・フォイル風船。あるいはそれらの名称の「風船」を「バルーン」と読み替えた名称でも通用するほど多くの名称が使われている。
その一方でアルミニウムを不使用のマジカラー(MagiColor)やガスバリア性の高いCRフィルムを使用したCRバルーンといわれる光透過性マイラーバルーンも登場している。現在では露店販売を含め、主に販売向けの風船としてゴム風船に代わり取り扱われることが多くなった。
マイラーバルーンはゴム風船に比べ表面の印刷に自由度がある。また形状も、基本的には楕円体のものが多いが、ハート型や、ドルフィンの形状のバルーンをはじめ、ビーチボールやスイカなどのデザインの正球体のものや人気キャラクターの形状に近い複雑な形状のバルーンを製作しやすく、サイズも大型化が容易というメリットがある。
フィルム素材もゴム風船に比べヘリウムガスが抜けにくいのが特徴である。ヘリウムガスをゴム風船に入れると浮揚時間は1日も持たない場合が多いが、マイラーバルーンでは種類によっては数ヶ月持つ場合もある。マイラーバルーンのフィルムにはクラレのエバールや米・東レプラスチックのLumLifeなどのフィルム素材が使われることが多い。
マイラーバルーンには通常はおもりを付けて飛ばないようにする。これは生分解性が低く風船飛ばし(バルーンリリース)に向かないことに加え、導電性のアルミニウムを蒸着したマイラーバルーンは電線や電車の架線に近づくことによりショート事故が起きると、電気系統や交通機関の障害で多くの利用者に影響を及ぼすからである。
マイラーバルーンにはこのほかにも、空気を入れて使う大小様々なマイラーバルーンやスティックバルーンが多数販売され販促などに用いられているほか、動物の散歩に見立てたお散歩バルーン(S.A.G.BALLOON)やラジコン飛行船(タカラなど)、ヘリウムガス入りのレクリエーション遊具ホバーディスクなど様々な商品が販売されている。
紙風船とは、紙製の中空の玩具で空気を吹き入れて手で打ち上げて遊ぶ玩具の総称。角風船や紙手鞠などの紙風船はゴム風船同様、富山売薬をはじめ配置薬の行商人が子供におまけとして配ることがあった。紙などを原料とする環境風船もあるが、たいていはアトラクション用ではなくイベント参加者の手放しで行う風船飛ばし専用の風船である。
環境風船とは、自然環境に放出した場合の影響を配慮して作られた紙や生分解性素材を原料とする風船の総称のこと。
1990年(平成2年)に日本で起きたゴム風船による風船飛ばしの自粛運動の影響から環境に配慮した風船飛ばし用の紙風船が誕生し、現在では紙に加えて生分解ポリオレフィン[21]やオブラートを使った環境風船も開発され市販されている。
環境風船は一般にゴムとは違い素材の伸縮性は乏しく膨らました風船は機械的強度が弱いので、ゴム風船によるバルーンリリース用のネット(網)で大量に詰めると圧迫により破損することから、もっぱらイベント参加者の手放しや、専用ボックスによる風船飛ばしに用いられる。また素材によっては水溶性で水滴が付くだけで穴があくものがあり、保管場所に注意が必要である。一般にこのような環境に配慮した環境風船はゴム風船に比べ高価である。
環境風船はリレハンメルオリンピックと長野オリンピック、広島でおこなわれた1994年アジア競技大会では、鳩、折鶴、大会エンブレムなどの形の紙、生分解ポリオレフィン風船が放天された。長野オリンピックではその鳩型の生分解ポリオレフィン風船が信越、関東、東北など、国内各地に飛んだが、一個がアメリカカリフォルニア州ロサンゼルスで見つかり話題になった。
酢酸ビニル風船とは、酢酸ビニル樹脂をアルコール類で溶解し、金属製チューブ容器に入れた風船玩具のこと。膨らませるには付属のストローの一片にチューブの内容物を丸く付けてストローに息を吹き込む。商品名に「ポリバルーン」(石原ポリケミカル工業)、「トラバルーン」(とらや)、「プラバルーン」(デビカ)などがあり、一般には玩具は商品名で知られている。酢酸ビニル風船は俗に風船玉と呼ばれることもある。
日本ではゴム風船は玩具店をはじめ、百貨店・スーパーマーケットからコンビニエンスストアまでの幅広い分野の小売店の玩具・文房具・バラエティグッズ売場などで市販されているが、マイラーバルーンや、バルーンアート用途や縁日などで多用されるゴム風船は、バルーンショップなどの専門店でないと入手できないことが多く、インターネットによる通信販売が専門店により行われていることが多い。風船は玩具として、手でついたり、屋内で飛ばしたりして遊ぶ用途のほか、以下のような目的でも用いられている。
ヘリウムガス入り風船(実際には気体あるいは液体を密封した風船全般)は、航空法施行規則の輸送禁止品の人に危害を与えるおそれのあるものとして航空機内への持込及び積載が禁止されており[26]、一部のマイラーバルーンの中にはその旨が表記されている市販品やテーマパーク商品、販促配布品もある。
航空機へ持ち込む場合には事前に風船のガス抜きをする必要がある。ゴム風船の場合は、風船の口を解いてガス抜きを行う。マイラーバルーンの場合は、市販のストローをガス注入口から奥まで差し込むと中の逆止弁が開放され、ガス抜きを行うことができるものがある[27]。
なお、バルーンショップで製作された空気やヘリウムガスの入った風船やバルーンデコレーションは、納品地への空輸での発送や高山を経由する陸路での発送は行なっていない。これは飛行機や高山経由による気圧の低下によるバルーンの破裂の恐れから、バルーンショップが商品の品質保証をできないためである。
ヘリウムガスなどのガスボンベ類も航空機の輸送禁止品の危険物の一種(高圧ガス使用商品)であることから航空便で送ることはできず、普通は陸便もしくは船便での輸送が行なわれる。
風船はコマーシャル玩具としての歴史が古い玩具[3]であり、富山売薬の子どもへのおみやげの企業名や商品名入りの紙風船は明治時代には登場しており、ゴム風船の名入れ技術も明治時代末期には日本国内で確立していた。一般に風船の名入れは最小納品ロットが設定され、判下代も別途請求されることが多い。
かつて、ゴム風船が普及する以前は動物の膀胱が球技や遊具、浮き袋などに使われており、サッカーやラグビーの球技もかつては膀胱ボールが使われている時代があった。また合成樹脂が開発されフィルムが製造される以前は動物の生体膜は有力な膜素材であり、金箔を打ち延ばしはがすのに用いるゴールドビーターズ・スキンをはじめ、科学実験で用いるガス袋に膀胱の袋が普通に使われたほか、かつての硬式飛行船の気嚢には水素ガスを詰めた大量の牛や羊の腸や膀胱が詰められていたほどである[28]。しかし日本国内では豚を家畜として飼育する文化があった琉球(沖縄)地方を除くと膀胱ボールの遊技の歴史的文化はみられない。
ゴム風船は国家間の資源や製品の交流の増大を背景に、ゴム性能の高いゴム種の選定とプランテーションによるゴム原料の大量生産とともに、ゴム原料を実用的な製品にするための加硫・ゴム添加剤の開発や製法の技術革新、製造機械によるゴム製品の大量生産技術により今日の市場に大量に出回る玩具になっているといえる。その一方でゴム資源を大量に必要とするモータリゼーションを促した自動車産業の発展が玩具を普及に導く大きな原動力になったことは確かである。
始祖的なものとしては1940年代のアメリカのモーグル計画で使われたポリエチレン製気球がある。
またアメリカNASAが開発し1960年以降に打ち上げた風船状の受動型通信衛星のエコー衛星などがあるが、民生用としては1970年代後半にアメリカ・ニューヨーク・シティ・バレエ団の公演用で使用されたものが最初といわれている。
その後1977年にアメリカのパーティーグッズ販売のアムスキャン社(現在はその子会社となったアナグラム社)がマイラーバルーンを販売開始。また伸栄ゴム(現在のエス・エー・ジー・バルーン)など日本国内の企業も翌年には販売を開始し、日本では1980年代に縁日でUFO風船などの名称で販売され普及した。
またシューターバルーンは1980年代に江崎グリコの食品景品としてにわかに登場したことがあるが、今日観戦応援に用いられるものは1999年(平成11年)ごろ登場し2005年(平成17年)以降に本格的に普及した。
折り紙の紙風船は江戸時代以前より作られており、また紙手鞠は興業イベントの便乗玩具として1891年頃に登場し、いずれも現在まで民芸玩具として長い生命を保っている。
火気により熱せられた空気で浮き上がる熱紙風船は古くからアジア各国の風習で行われており、ヨーロッパでは1783年のモンゴルフィエ兄弟が製作した熱気球が有人飛行に成功して以降、気球ブームで熱紙風船が市販され一般市民が購入したり自作をして昼夜を問わず飛ばされたため火災もまれではなかったといわれる[5]。また日本では1891年(明治24年)に風船乗り興業の影響で紙手鞠などとともに熱紙風船がブームとなったが火気を伴うために火災の恐れがありブームはすぐにすたれた[4]。
日本の秋田県仙北市(西木町上桧木内)で現在行われている紙風船上げの風習は江戸中期に平賀源内が伝えた物といわれ、戦争で行事が途切れたことがあったが現在の行事は1974年(昭和49年)に復活したものといわれている。
浮揚ガスを入れて使うものは第二次世界大戦の末期に日本国内から主にアメリカに向けて飛ばされた風船爆弾があるが、1990年(平成2年)に日本国内で起きた風船飛ばしの相次ぐ自粛の流れを受け、翌年以降環境風船として紙風船が再び脚光を浴びることになった。
寺院の祝祭やお祭りなどに出店する的屋などによる露天商のゴム風船販売は古くから行なわれており、啖呵売をすることなく静かに販売を行なうコミセやオトナシミセの部類の露天商の一つである。 露天商用語ではゴム風船をチカ、それに派生しガス風船はアゲチカ、水ヨーヨーはスイチカ、棒付き風船はタテチカ、毛笛はナキチカ、棒でつり下げた風船はボウチカといわれるように、ゴム風船販売が露天商の取扱商品の一つのジャンルをなしていた。
かつての露天商におけるゴム風船販売では一般に、風船単体での販売は行なわれず、空気で膨らまして棒を付けたものや、ゴム風船の加工品の毛笛。水素やヘリウムなどの浮揚ガスを入れたガス風船のたぐいではリボンと女の子の顔が描かれた太陽柄の印刷ものや、鳥の形状や大きな二つの耳が特徴のウサギ風船など様々な形状の変形風船の販売が多く、職人的バルーン販売の的屋により特徴的なタコ顔の丸い風船の上部に細長い風船を巻き付けて作られたたこ風船も販売されていた。
この露天商販売のガス風船では、可燃性の水素ガスが昭和末期にかけてまで使われていたこともあり、古くは金属と反応させて水素を発生させる酸の入った硫酸瓶や化学反応させた水素を風船に入れるための反応瓶[29]。後年には赤く色を塗られた水素ボンベがガス風船販売に付きものであった。
しかし、水素の発火の危険性は日本でも明治初期からすでに指摘されており[30]、昭和30年代から50年代にかけての日本の高度経済成長下で、水素入りのガス風船やアドバルーンの発火爆発事故が多発し、消防署が「ガス風船がタバコなどの火を引き爆発するもの」として消費者に注意を促した[31]ことからガス風船の販売は減少。浮揚ガスの不燃性のヘリウムガスへの転換とともに1980年代には非ゴム素材のマイラーバルーンなども登場。
以降マイラーバルーンのデザインの多様性と性能向上による浮揚時間の長期化のメリットもあり、露天商におけるガス風船販売はゴム風船からマイラーバルーンが主流となった。1990年代にはタコ風船、2000年前後にはウサギ風船も姿を消し、太陽柄風船も作られてはいるものの露店では目にする機会は少なくなったが、その一方で露天商販売では現在ではバルーンショップの関係者もワゴン販売として露店販売に関わるケースも増えており、透明なTバルーンなどのマイラーバルーンの中にゴム風船を入れたバルーンアート的な商品が販売されることもある。
なお、棒付き風船[32]はかつては露天商で販売されている時代もあったが、現在でもマイラーバルーンでは市販されるがゴム風船では販売用商品となることはほとんど無く、もっぱら薬局、スーパー、クリーニング店、家電販売店、金融機関、飲食店、雑貨店など小売販売店の店舗装飾やイベントの来客者への無料配布用に使われたり、街頭の募金活動の粗品として配布され、手渡しのほか発泡スチロールの板に棒が挿されたり、専用の柱状の什器に挿されていることも多い。
一方、駄菓子屋では初心者向けのバルーンアート用のツイストバルーンや専用のポンプも販売される店もあるが、一般には玩具用風船の取り扱いが多く、タイガー印ブランドの紙製の箱に入ったばら売り用のゴム風船や3個程度ビニール袋に入ったゴム風船、バルーンアートには向かない細長い風船やジェット風船、水玉風船などの取り扱いが多い。 その一方で1970年代には様々な形状のゴム風船が当たる風船くじも売られていたが、現在では販売されてはいない。
1990年代初頭にかけて、落ちたゴム風船を野鳥が誤って食べて窒息死するなどの理由により、野外でのゴム風船の使用が減ったことがあったが、日本バルーン協会によれば、ラテックスを使用しているゴム風船は自然界で分解されるためにそのような事故が起きる可能性はきわめて低いとされる[33]。 しかし欧米では、近年の複数の公的な環境調査により、日本近海にも生息し絶滅が危ぐされるオサガメの死体調査で、40%近い個体の胃の中からプラスチック製品が見つかっており、胃の中から主食のクラゲを誤飲したと思われるビニール袋のほか風船、たばこやお菓子の包装、釣り糸なども多く見受けられ、ビニール袋のような膜状人工物を消化管に詰まらせたことが死因の可能性の高い個体も多く見つかっている[34]。
また飛ばしたゴム風船の大体5 - 10%が破裂することなく原形をとどめたまま地上や海に落下するとみられている[35]が、海岸に打ち上げられる漂流・漂着ごみとしてのゴム風船の近年の急増傾向も指摘されており[36]、自然環境に大量に放出する行為は海鳥や海棲哺乳類などの野生生物の生命をも脅かすおそれがあるため、欧米ではビニール袋の投棄禁止とともに商業的な大量の風船飛ばしの行為に反対する生物学者、生物・鳥獣保護団体、環境保護団体、環境教育機関が少なくない。
またアメリカ[37]、シンガポール、オーストラリアなどでは条例により商業目的の風船飛ばしの1日もしくは行為1回ごとの数量規制および超えた場合の罰金制度が行われている地域も存在する。 オーストラリア クィーンズランド州では、一切禁止になりました[38]。
なお、日本バルーン協会は、野外で放すための風船はゴム風船等の自然素材の風船を用い、風船も分解しやすい糸や紙紐、紙製のリボンを用いて吹き口を留めるようにする事を推奨している。[39]
イスラエルでは宣伝用の風船がレバノン南部まで到達し、住民が化学兵器と思いパニックとなったこともある。ヘブライ語の文字が印刷された薄い緑色で吹き口が互いに結ばれて10個を1組にしてあった。現地爆発物処理班により畑に移動後、爆破された[40]。
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