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ファーストパーソン・シューター(英:First Person shooter、略称FPS)とは、主にシューティングゲームの一種で、主人公の本人(第一者)視点(FPSまたはFPV(en))でゲーム中の世界・空間を任意で移動でき、武器もしくは素手などを用いて戦うアクションゲームのスタイルを指す。基本的に画面に表示されるのはプレイヤーキャラクターの一部(腕など)と武器・道具のみである。混同されがちだが、プレイヤーキャラクターの姿が見えるゲームはサードパーソン・シューティングゲーム(TPS:第三者視点)として区別される。
日本で用いられる「ファーストパーソン・シューティングゲーム(First Person shooting game)」は和製英語で、アメリカではファーストパーソン・シューター(First Person shooter)と表現する。「本人(一人称)視点シューティングゲーム」と訳される。また、「ファーストパーソン・シューティングゲーム」という呼称が定着する以前は「3Dシューティングゲーム」や、「DOOM系シューティングゲーム」などと呼ばれており、現在でもそのように表現する人も少なくはない。世界的に人気があるジャンルであり、オンラインでは常に対戦が行われている。FPSというジャンルの性質上、リアリティを追求する事も目的とするため、先端のCG技術の実験場にもなっている。また、殆どのソフトがPCスペックを最大限活用することを前提に制作されるため、PCのベンチマークソフトとして扱われることも非常に多い。
広義ではフライトシミュレータのうち主観による空中戦や、剣や魔法による主観型アクションロールプレイングゲームなどを含む、単なる本人視点を指す言葉として用いられる。ここではもっとも狭義となるゲームジャンルとしてのFPSについて解説する。
狭義では、画面に登場する主人公の視点(本人視点、first-person point of view)でゲーム中の世界・空間を任意で移動でき、銃や剣といった武器、もしくは素手などを用いて戦うアクションゲームを指す。作品によってはレベルが上がったりストーリーを進めるといったRPGのシステムが添加されているものもあるが、前述した条件を満たせばFPSと言える。ジャンルが確立されるまでの黎明期はFPSという言葉はなく、『DOOM』があまりに普及したため1990年代当時は英語圏ではFPSの事をDOOM Like(『DOOM』のような)ゲームと呼び、日本でもDOOM系、Quake系ゲームなどと呼んでいた。また、『DOOM』は「DOOM酔い」(現在でいう3D酔い)という病気も引き起こし、深刻な社会現象を引き起こしたことでも知られる。
GPUに対する需要を牽引するという意味では、GPUに多大な貢献を行っているジャンルでもある。FPSでは3次元空間の探索を最大の特徴としており、そのリアリティ追求のためにPCのスペック(特にGPU)を極限まで酷使するどころか、最高の画質設定ではハイエンドPCの限界を遥かに超えたスペックを要求するソフトが非常に多い。その処理負荷はソフトのリリースと同じ時代のハイエンドPCのベンチマークソフトとしても用いられる程である。但し、カジュアルなFPSではスペックが要求されないこともある。FPSを筆頭とする3次元前提のゲームにおける性能面での需要に応えるために、FPSの黎明期である1990年代に数多くのGPUのブランド(3dfx Voodoo,NVIDIA GeForce,ATI Rage,S3 Savage等)が登場して凌ぎを削り合った。その激しい競争と共に、GPUの性能は大幅に向上し、安価になり、GPUの市場も大幅な成長を見せた。1990年代~2000年代でGPUのコモディティ化が進んだことで、2010年代以降はNVIDIA GeForceとAMD Radeonの2ブランドのみが生き残っているが、VR,AR,4K,8K,より高度なシェーダーの実装など、FPSを始めとするゲームにおけるグラフィックの高度化は留まるところを知らず、性能に対する需要の伸びは依然として加速し続けている。
1973年にアメリカで発表された『Maze War』、1974年に同国で発表された『Spasim』を始祖とする(ただし『Spasim』は一種のフライトシューティングであって、狭義でのFPSではない)。日本の作品ではシューティングではないがシステムソフトの『SeeNa』などがある。
しかしながら、上記は1985年の『The Eldolon』のような一人称視点搭乗型シューティング、1987年の『Dungeon Master』のような一人称視点のリアルタイムRPG、1990年の『Wing Commander』などの一人称視点宇宙戦闘機ものへと枝分かれする以前のもので、さらに分離発展した形態であるFPSからすると「原点」であり、厳密にはFPSの元祖というよりバーチャルリアリティゲーム全ての元祖といえる。
そして1991年、id Softwareが自社の迷路ゲームであった『Hovertank3D』(1991年)の技術を発展させた『Catacomb3D』(1991年)は現在のFPSと変わらない仕組を確立しており、この作品が現在のFPSの原型ともいえる。
そしてid Softwareが1992年に発表した『Wolfenstein 3D』によってFPSというジャンルが確立され、そして1993年に同社が発表した『DOOM』の世界的ヒットにより、FPSは一気にゲームジャンルとして定着、その後は「DOOMクローン」と呼ばれる粗雑な(もしくはより素晴らしい)類似品が多数出回るようになる。
『DOOM』(初代と『II』とその同世代のゲームたち)では、主にパソコンの性能の限界のために、マップは水平か垂直な面のみから構成される、事前の処理によるバイナリ空間分割を利用しているためマップの大きな変形に制限がある、敵などの物体はスプライトを用いたビルボード(看板の意)と呼ばれる擬似3D手法で描かれる、マップこそ高低差はあったが視点と視線は立ち位置の正面水平方向に固定、照準に上下方向の概念がなく、敵がどの高さにいようが敵の方向を向いて攻撃すれば弾が命中する、など、制限も多かった(『DOOM』はこういった制限を利用したり、気にならないよう、うまくデザインされていた)。
こういった制限はパソコンの弛まない性能向上によりなくなっていった。 1993年、擬似3Dの中でもマウスにより上下左右自在に視点を変えられる3D Realms社の『Duke Nukem 3D』が登場。
『Duke Nukem』は殺伐とした殺傷ゲームであったFPSにお笑いの要素を盛り込み、FPSの幅を広げた。『Duke Nukem』のクローンも『Blood』のようなホラーから『レッドネックランページ』のようなギャグFPSなど多岐にわたった。
また、1995年には『Wizardry』で有名なDavid W. BradleyがRPGとFPSの融合を目指し、ストーリー性を重視した『Cybermage』を発表するなど、様々なジャンルで活躍したゲーム開発者が多数FPS開発に参加することでその可能性を広げ、また、その技術をRPGなどに転用するなど、様々なゲームジャンルに革新をもたらすこととなった。
この時期、あまりのブームで粗製濫造され、いい加減な作品もある一方で後々まで語り継がれる名作までPC/AT互換機用に大量のFPSが製作され、MS-DOS時代からWindows95時代までは擬似3DFPSの黄金時代となっていた。
一方、MACではMacの利用者のマーケットがPC/AT互換機ユーザーと異なる点、またソフトウェア開発メーカー自体が少ないなどの問題から作品数は非常に少なく、完全にFPSのブームから蚊帳の外に置かれていた。 しかし、Bungie Softwareが1993年に『Pathway Into the Darkness』、1994年には『Marathon』シリーズを発表。 玉石混合のPC/AT互換機と違い、きわめて優良な品質のFPSが登場したため、MACユーザーの間でもFPSの認知度が広まった。 しかしながら、あまりに市場が小さいMAC市場ではFPSはその後もほとんど出なかった。 しかし、Bungie Softwareの『Marathon』シリーズはPC/AT互換機で多数登場したFPSと比べても非常に優れており、世界的に知られることとなった。
現代的な「完全3D」のFPSが作られたのはその後の1996年、id Softwareから発売された『Quake』が初めてとされる。
ただし『Quake』でも一部武器には上下方向のみ自動照準が作動するようになっており、これは当時マウスによる照準の操作が一般的でなく、上下方向の振り向きもキーボードで行っていた人への救済処置である。現在では振り向きはマウスのみで行うのが一般化されており、現代リリースされているFPSで上下に対してのみ自動照準が搭載されているゲームソフトはほとんど存在しない(上下左右で自動照準が作動するものはコンシューマー系に多く存在する)。
1997年、『Quake2』では更なるグラフィックの質が高まっただけでなく、敵がプレーヤーの攻撃をしゃがんでかわそうとするなど、敵キャラクターが攻撃重視の動きからある程度防御もするようになった。しかし、アイデアは画期的だったものの未開拓の技術で、しゃがんだらそのまま攻撃を受けてもしゃがみ続けて動かないなど実際の動作は単純であった。
しかし、1998年Epic Games社から発売された『Unreal』がその画期的な技術で世界に衝撃を与える。GlideによるUNREALエンジンはQuake2エンジンを遥かに越える驚異的なグラフィックの美麗さで、3ヶ月たてばグラフィックが陳腐化されるといわれるほど発展の速いこのジャンルでも、その後1年近くトップランナーであったほど頭一つ抜きん出ていた。さらに、敵キャラクターが銃を向けられたら壁を利用してかわしたり、カンフー映画のようなアクロバティックな動きでプレーヤーを幻惑しながら攻防一体の攻撃するなど、まるで人間が操作しているかのような知的な敵AIは当時としては革新的で、その後のFPSの発展に大きな影響を及ぼした。さらに、一人称視点での広大な惑星の冒険という徹底したリアリティを追及し、「ストーリー」ではなくプレーヤーに「体感」させるという、FPSの本来の目標ともいえるバーチャルリアリティを非常に高いレベルで達成し、世界中で絶賛され、世界中のゲーム賞を総舐めにした。
1998年末に発売されたValve Software社の『Half-Life』は、『UNREAL』とはまた違ったアプローチで成功する。グラフィックはQuake2エンジンをライセンス取得して独自で拡張したGoldsourceエンジンで、すでにQUAKE2エンジンの作品がありふれた中ではさほど目立つ質ではなかった。しかし、敵AIの素晴らしさ、ゲーム性の高さは『UNREAL』と共に当時の最高レベルであり、また、ストーリーにはSF作家でフィリップ・K・ディック賞受賞者のマーク・レイドロー(Marc Laidlaw)を起用し、しっかりとしたストーリー性と緊迫感のあるゲームバランスは当時のFPSの中でも格別に優れており、たちまち同様のゲーム群の中でも抜きん出て高い評価を受けた。映画のようなムービーを間に挟むシネマティックな演出は昔からあったものの、『Half-Life』のストーリー部とムービー部がシームレスで繋がる絶妙さは「体感」しながら映画のように「観て楽しむ」という新しい境地を開いた。また、「主人公=プレーヤー」でありながら、主人公ゴードンを魅力的でインパクトあるキャラクターとする試みも成功している。謎解きも多くのFPSにありがちな「お使い」ではなく、プレーヤーに苦痛を与えないよう見事に考え抜かれており、世界中で高評価を得、各国のゲーム賞を獲得。また、Goldsourceエンジンの汎用性の高さから数多くのMODが登場し、何百回でも楽しめるという『DOOM』時代の伝統もきちんと押さえ大人気となった。
このような理由から、『Quake』、『Unreal』、『Half-Life』の三本は現代のFPSの原型となった「FPS三大作品」として認知されており[1]、それぞれ続編などが作られるシリーズである。
他にもFPSの在り方を変えた存在としてシングルプレーをマルチプレーと同様の物とし、シングルプレーよりマルチプレーをメインとしながらヒット作となった『Unreal Tournament』、『QuakeIII』(共に1999年発売)や、元はHalf-lifeのMODで有りながらゲームシステムを完全に改変した『Counter-Strike』なども挙げられる。
2004年に、プログラマブルシェーダや物理演算を駆使した新規開発のエンジンを搭載し、以前のゲームと比較して格段にリアルな映像を実現した『DOOM3』,『Half-Life2』,『Far Cry』の3作品も、3Dゲーム史上では革命的な出来事であったが、PCスペックに対する要求も格段に厳しくなった。
また、FPSはプログラムの方法によっては訓練シミュレーターとしても有効であり、一部では訓練用プログラムの一部としてこのジャンルのソフトウェアを取り入れている国や軍隊も存在する[2]。
1985年に創業したNovaLogic社はパソコン黎明期よりリアリティ重視のアーミー・FPSやフライト・戦車シミュレーションで有名であるが、単なるアーミーオタクの創業したメーカーではなく、創業者が元軍人である。
その実績から1999年にはアメリカ軍から発注するためのNovaLogic Systems Inc.という別会社を立ち上げ、兵士のための訓練用模擬シミュレータを提供している。
作品によって異なるが、大半のFPSでは以下のようなアクションが導入されている。以下に記述するのはFPSとして成立するために最低限必要なアクションであるため、作品によってはさらに複数のアクションが搭載されているのも珍しくは無い。
旧来のFPSの多くは、そのゲーム性から「スポーツ系FPS」と「リアル系FPS」との2つに分けることが出来る。
「スポーツ系FPS」は立体的なマップを縦横無尽に駆け跳ね回り、ドッジング(緊急回避)、ウォールジャンプ(壁蹴り大ジャンプ)、ロケットジャンプ(爆風を用いた大ジャンプ)に代表される派手なアクションやスピード感を楽しむタイプのもの。 非常にテンポの早い戦闘が繰り広げられ、外見的な特徴として現代の科学水準では到底実現不可能な未来的武器が登場するSFやファンタジーを題材にしているものが多い。基本的に対人対戦のマルチプレイこそがこの手のジャンルの真髄で、キャンペーン(一人用のストーリーモード)はオマケ、もしくは全くないという作品も目立つ。
「リアル系FPS」は実在の武器や戦場など現実を模した世界観設定がされ、キャラクターの身体能力なども現実に近いシビアな設定がされていて、索敵やチーム戦術、一撃必殺の緊張感を売りにした物などが当てはまる。作戦を立て、仲間と協力、もしくは部下に指示を出しながら(もちろん一人でやるものもある)着実に任務を進めていくというリアルな戦闘プロセスを楽しめるような設定がなされている。その性質上、リアル系はキャンペーンに力が入れられているものが多い。
もちろん全てのFPSがこの2つに分類されるわけではなく、激しいスピード感を持ちながら一撃必殺の緊張感を持った物や、特殊な動作も無く移動速度も遅いが一撃のダメージは少ない物、現代的な世界観やゲーム設定であるのに内容的にはスポーツタイプであったりと、スポーツ系の要素とリアル系の要素を併せ持ったようなものや、『Elebits』のように全く独自のシステム・ゲーム性を持ったものもある。現在ではこの旧来の系統では分類できないタイプのFPSが非常に増えてきており、スポーツ系、リアル系の括りで語られるものは少なくなってきている。
また、作品によっては車や戦闘機が登場し、軍用車両に実際に乗り込んで戦ったり戦闘機でドッグファイトを楽しめる物もある。どちらの系統を意識してゲームが設計されたかによって、同じ種別の乗り物であっても操作感はまったく異なる。
FPSのオンラインゲームにおける一ジャンルとして、MMO(Massively Multiplayer Online)と呼ばれる「多人数同時参加型オンライン」の要素を取り入れたMMOFPSも登場している。これは同様にオンラインゲームの一ジャンルであるMMORPGのFPS版とも呼べる内容であり、通常のFPSのネットワーク対戦よりもさらに多数のプレイヤー(時に数百人〜数千人規模)が恒常的に展開される仮想空間にいつでも参加してプレイできるタイプのゲームである。ただしMMORPG系と違い、FPSではラグが致命的となるため、1サーバーで多数のクライアントを抱え、ラグが出やすい状況にならざるを得ないMMOFPSは一般化されているとは言いにくい。
FPSでは単に敵が出てきて銃撃を繰り返すだけではなく、特定の場所を狙撃してスイッチを作動させたり、箱などを引きずってきてそれを足場に普通届かないところにジャンプするといった、アクションパズルのシーンが含まれているものもある。
これは隠しアイテムを手に入れたり、隠しステージへ行くための手段としてそのようなパズルシーンが仕込まれていたり、ゲーム本編そのもので、謎を解かなければ先に進めないといった物もある(初代『QUAKE』が良い例である)。しかしパズルシーンはゲームのテンポを停滞させることもあり、嫌う人も多い。一方で、ここ最近ではそのパズルを解くという事だけを純粋に求めた作品なども登場している(『Portal』)。
家庭用ゲーム機におけるFPSの歴史は古く、ファミリーコンピュータやメガドライブ、スーパーファミコン等(第3〜4世代)、現在と比較して非常に低機能の機械上でも極少数リリースされていたが、本格的に生産されるようになったのはPlayStationやセガサターン、NINTENDO64などの3DCGを利用可能なゲーム機が登場した1990年代中盤以降(第5世代)からであり、この時期からFPSあるいはFPSに近い主観視点の日本製ゲームソフトも少なからず制作されはじめるようになる。
しかしこれらは日本のプレイヤーにはあまり受け入れられず、普及することもなかった。単純にゲームとしてのおもしろさに問題があるものも少なくなかったが、それ以上に「ともかくマニアックで難しいゲーム」という印象が強くなりすぎたことも大きな要因のひとつである。ただし、操作を事実上照準と射撃に限定したガンシューティングは、FPSの登場以前から一定の人気を博しており、最近では回避動作や移動ルート選択の要素を盛り込んだFPSに近いものも登場している。
当時よりFPSのほとんどは西洋製で、日本人には馴染みの薄いデザインセンスは従来よりアメリカンコミックスなどをよく読んでいた一部の層の人ならばともかく、日本のゲームに多いアニメ調のキャラクターデザインに慣れ親しんでいた人々には受けが悪く、この大きすぎるギャップがFPSに対して強烈なまでにマニアックな印象と、敬遠を与える材料となった。しかしこれらはユーザーに対する広報の方法にも問題があり、家庭用ゲーム機NINTENDO64のソフトとして発売された『ゴールデンアイ 007』、その続編的な『パーフェクトダーク』については日本でもそれなりにヒットした事から、日本でのFPSの販売不振については販売代理店の側にも問題があったと言える。
より大規模に家庭用ゲーム機でFPSが作られるようになったのは第6世代機となる初代Xboxの『Halo: Combat Evolved』以降である。この作品は海外ではXboxとロンチで、そして日本では当時売り上げ不調だったXboxのキラータイトルとして大々的に宣伝され、売り上げ本数が世界で500万本を突破するまでに至った。しかしこの作品もまた日本での売り上げは他のゲームハードで同時期に発売されたソフトと比較してもあまり良くなく(そもそもXbox自体が日本で常に劣勢を強いられていたのも起因する)、この時点で直ちにFPSがゲーム機市場に大きな一石を投じるほどの影響力は発生しなかった。また、第6世代のゲーム機においても同作シリーズ以外に目だって好調な売り上げ成績を収めたFPSがリリースされる事はあまり無かった。
2000年代中盤に入ると、ゲーム世代が一つ繰り上がり、Xbox 360やPS3等の家庭用ゲーム機が高性能化して家庭用ゲーム機向けにFPSが移植・開発されるケースが目立ち始める。この頃になるとコンピュータパーツの性能発展も比較的緩やかになっており、解像度やフレームレート等を除けばPC版とさほど遜色の無い出来でゲームをプレーできるようになった事も要因の一つである。さらにコンシュマーは基本的に性能が完全同一であり、スペック環境によって動作不良を起こす心配がなく、ユーザーにとっても安定感がある選択肢でもある。
特に『コール・オブ・デューティシリーズ』は特筆すべき作品であり、4作目(『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』)以降よりコンシュマー版の売り上げが目立って好調になり、後の続編である『モダン・ウォーフェア2』や『ブラックオプス』といった作品が今まで家庭用ゲーム機向けFPSの歴史の中でも類を見ない数百万本、一千万本以上といった大ヒットを挙げるようになり、同シリーズがコンシュマーFPS市場を牽引し、それまで類を見ないほどのFPSゲームが家庭用ゲーム機に流入するようになった。
近年では家庭用ゲーム機とコンピュータでのFPSソフトの売り上げは完全に逆転している傾向にあり、またPCゲームはインターネットの普及率の増加と共に不正コピーに悩まされてしまっているが、家庭用ゲーム機はPCゲームと比較してプロテクトが強固であり、不正コピーを動作させるにはゲーム機本体に対して大きな改造を必要とするリスクがあり、機材や故障などの危険を冒す必要があるため比較的難易度が高い。
近年では家庭用向けのバージョンが数百万売れるのに対して、PCは数万しか売れないばかりか不正ダウンロードは数十万や数百万になったという統計もとられており、この傾向はゲーム開発スタジオも無視できず、本来PC向けに開発していたゲームやシリーズを家庭用ゲーム機版も同時にリリースするパターンが多くなってきている。
家庭用ゲーム機用FPSの製作上で問題視されていたのは操作方法についてであった。これはゲーム史上、常に問題でありつづけた。
それまでコンピューターでリリースされてきたFPSは、マウスで素早く首を振り(縦軸の移動)、キーボードで歩く(平面の移動)ように作られており、これ以上無い洗練された入力方法の恩恵によりスムーズな操作を可能としていた。
一方の家庭用ゲーム機のコントローラーは、FPSを意識して作られたわけでは無かった故に、従来から多く見られた単に平面的な動きのゲームには抜群の操作性を誇っていても、FPSではボタン数が足りない、配置が適していないなどの問題があった。これにより家庭用ゲーム機では、コンピューターでプレーするよりも操作が難しくなり、スムーズに操作できなかった。
特に問題とされたのは照準の操作についてである。マウスでは操作量によって照準の移動の大胆さと精密さを操作でき、動かした際のスピードが直感的に反映される。一方ゲームコントローラーにとりつけられたボタンやアナログスティックでは動かすスピードが限られる上に精密な操作がしづらいという問題点がある。しかも現在主流であるアナログスティックが2本装備されたゲームコントローラが登場したのは初代PlayStationの中盤以降であり、根本として照準と移動を同時に操作する事が事実上不可能な状態でもあった。事実北米では家庭用ゲーム機の第5世代機時代(PlayStation、セガサターン、NINTENDO64)に日本以上に多くのFPSが発売されたが、同様の理由から高い評価を受けたものは極めて少ない。
この様な状況で、日本国内では『ガングリフォンシリーズ』や『機動戦士ガンダム外伝シリーズ』など、ロボットを題材とすることで「操作」するよりも「操縦」する楽しみへ昇華させたものもあったが、一般化するには至らなかった。また、それらはロボットアクションという別ジャンルのゲームとして認知されているのが通常である。
コンシュマーでのFPS系ゲームの操作におけるこれらの難については、敵をある程度自動的にロックオンしたり、専用のコントローラー(ジョイスティック等)に対応させるなどの模索が続いているが、どれも根本的な解決には至っていない。より斬新な規格のゲームコントローラーが開発されない限りは、現状でソフト側でのこれ以上の対応は難しいと考えられている。現在ではWiiリモコンやPlayStation 3のMoveコントローラー、Xbox 360のキネクトなど、ボタン以外にもコントローラーや身体を振って入力したり、画面に直接照準を合わせることが可能なデバイスが登場している点で、現状の改善が予想される。
FPSはマウスでプレーするのがそのゲームシステムの都合上絶対的に有利であり、直感的ではあるものの、一部にはコントローラのスティック等による狙いのつけづらさや、振動システム等によるフィードバックにリアルさを感じるとするユーザーも少なくないようで、特に家庭用ゲーム機からFPSに慣れ親しみ始めたいわゆる新参・ライト層プレイヤーと旧来よりマウス・キーボードでプレーしてきた古参・ハードコア層で意見が二分している。
コントローラーを前提としたバランス調整の特徴としては、ゲームをスローテンポ化し、エイムアシストやオートエイムといった補助機能を取り入れているケースが多く見受けられる。エイムアシストは攻撃できる対象が照準の付近を通過した際に自動である程度照準を引っ張り、操作を補助する。オートエイムは特定のキーを入力するたびに付近の敵に照準を自動でくっ付けるシステムを指す。これらの機能は大半の場合ゲーム設定側からOFFにする事ができるが、無ければ無いで現代の家庭用ゲーム機向けFPSでは敵に狙いを定めるだけで非常に難易度が高い物となってしまう傾向が強い。
また、家庭用とPC用でバランス調節が異なる作品もあり、『Unreal Tournament3』の様に家庭用機版ではPC版に比べ速度を低下させたり、コール・オブ・デューティ等ではリーンをオミットする等根本的にゲームシステムの一部をカットするケースもある。
PC版では改変が容易な事を利用したMODを導入するという楽しみ方も出来たが、コンシューマーではそれが不可能という問題もある。『Halo3』にて「フォージ」と呼ばれる自作カスタムマップが制作可能になったり、PlayStation 3版『Unreal Tournament3』ではUSBメモリからMODデータをハードディスクへ導入する事が可能になるなど(日本版ではこの機能はカットされている)様々なアプローチが行われているが、第7世代機中で発売されたソフトでは、そうした改変プログラムやゲームシステムを導入した作品の存在の方が珍しい部類である。
こうした改変プログラムが導入できない点はPCゲーマーから見るとデメリットと捕らえられがちだが、逆に言うとネット対戦等において不正な改造を施したプレイヤーとバッティングしづらい事を意味しており、セキュリティや公正さの面において秀でているのが特徴である。また、改変プログラムを導入できない分ダウンロードコンテンツ(DLC)というゲーム追加システムが別途販売され、そうした方法でゲームシステムに追加が施される傾向が強くなってきている。
FPSというジャンルのゲームはより美しい映像であるほど評価が高く、結果としてその映像表現を実現するために、実行するコンピュータへ要求する性能が他のジャンルのPCゲームの中でも桁違いに高い傾向にあり、あまりにも美麗なグラフィックを求める余り、最近ではゲームの発売時に存在できる最高性能のPCをもってしてもグラフィック設定を最高にして遊ぶ事はほぼ不可能な作品まで登場している(平均的なPCではグラフィックス設定を最低にしてもまともに動作しない作品もある)。
最初の「当時の最高スペックのPCでまともに動作しないゲーム」は初代『Unreal』(1998年)と言われている。これは当時のEpicのスタッフ側が最先端の技術を盛り込むことを最重要視しており、開発マシン(スタッフの趣味により一般レベル以上のフルチューンPCであった)で動作すれば良いと考えていたためで、一般消費者の入手しうる最高スペックPCでも重いゲームであった。ゲームの質を消費者に合わせて落とすのではなく、日進月歩のゲームの質に消費者がコストをかけて合わせるというFPSメーカーの姿勢は当時も今も変わらない。ただし『Unreal』はSavage4やTNT2といった当時のDirect3D対応ビデオカードでは非常に重かったものの、Glide対応の3Dfx社のVoodoo2かVoodoo3であれば最高の美麗画質でも非常に軽く快適に動作するなど、決して消費者を置き去りにしていたわけではなく、ゲーマーの常識的判断でビデオカードをチョイスしていればプレーは問題ないように考えられていた。前年発売の『QuakeII』も相当重いゲームであったが、こちらもOpenGL、Direct3D、GlideのAPIが選べるようになっており、ビデオカードの選択次第で重くも軽くもなるように選択の余地が与えられていた。しかし、最高性能のビデオカードを所有していないユーザーは、結局出費を強いられることになる。こういった高性能を要求するFPSは雑誌などで頻繁にベンチマークソフトとして使われており、初期の頃から既にFPSは常に高いコンピューターシステムを必要としていた事が窺える。
また、これらはゲームの発売後により高性能なハードウェアが開発・発売されることを意識して開発され、一種のゲームの延命措置や話題作りの一つとして意図的に行われている側面もある。「現状の性能に不満は無いが、もっと映像クオリティを向上させたいのでコンピュータを新調しよう」という意識をあえて促す、正直なところユーザーには決して優しくない販売手法とも言える。
こういったハイスペックを要求するゲームにおいては、単に「動作する」という事と、「快適にゲームが出来る」ということは同義ではない。特にオンライン対戦型のFPSにおいては、ほんの少しの処理落ちが発生してしまうだけで照準を合わせるのが困難になり、そのコンマ数秒の間に倒されたり、決定的な差がついてしまうてしまう事も多いからである。
一方で手軽にこれだけ高負荷をかけられ、簡単に手に入るプログラムというのはなかなか存在しないため、複数のシステム構成が異なるPC間で同じゲームのイベントシーンやマップを用いてフレームレート(実行速度=コンピューターの性能)を測定するベンチマークソフトの代わりに使われる事が多い。
3DMarkなどのベンチ専用ソフトとは違い、ゲームのワンシーンを用いて数値を測定するため、実際にゲームプレイ時と同じ状況で出されるスコアはより現実的で参考とできる度合いは高いとされる。しかしソフトウェアによっては最適なパーツの組み合わせというものがあり、例えば本来シングルコアプロセッサより高性能のはずのデュアルコアプロセッサ搭載のコンピューターではあまり快適に動作しなかったり、ほぼ同じ性能であっても特定の会社がリリースしているグラフィックボードシリーズだと高スコアが出るように調整されているなどの事例も幾つか見受けられる。
中にはこのベンチマークのスコアを1ポイントでも上げることを楽しみとしている人もおり、その為だけにコンピューターのパーツを複数用意し、微々たる組み合わせの変更、OSシステムの調整に始まり、究極はコンピューターのパーツを液体窒素で冷やしたり、オーバークロックを試みる事もある。これもまた一種のゲームのプレー方法と考えることもできるが、これはコンピューターゲームの中でも極めて異質な楽しみ方である。ベンチマークとして使われることを意識してか、最初からベンチマーク測定モードが搭載されたゲームソフトもいくつか存在する。
上記のような理由から、FPSで新作が出るたびに新型のパソコンパーツやパソコン本体の需要が高まる。そのため、インテル、AMD、NVIDIA等、多くのコンピュータ関連企業がファーストパーソン・シューティングを広めるべく、ゲームの大会にスポンサーとして参加している。有名な大会ではCyberathlete Professional League(CPL)、World Cyber Games(WCG)などがあり、日本からも毎年代表選手が参戦している。
また、カリスマ性を持つプレイヤーやチームに対してスポンサー契約を結び、資金やパーツ等を提供する企業も増加しており、多くのプロゲーマーが誕生している。スポンサーにつく企業としては、ゲームソフトの開発会社やPC用機器メーカーが多い。これは、前者においては自社のゲームが大会などで利用されることによる広告効果を狙ったためであり、後者においては「世界第1位のプレイヤーが愛用するマウス」といった広告を行えることから(自社の製品を練習や大会において使用することを条件に)スポンサーにつくことが多い。特にJohnathan "Fatal1ty" Wendel氏は収入が1億円を超え、世界で一番有名なプロゲーマーとも言われている。
エレクトロニック・スポーツ(e-Sports)におけるFPSの始まりは1993年12月10日にマルチプレーヤーデスマッチゲームを導入した『DOOM』が最初となる。後に、TCP/IPに対応したマルチプレイのゲームの元祖『Quake』が、FPSの競技として初めて1997年のCyberathlete Professional League(CPL) で使用された。 その後、『Quakeシリーズ』や『カウンターストライクシリーズ』、『コール オブ デューティシリーズ』などの多くのFPSがe-Sportsの競技種目となった。
国内ではレッドブルがe-Sportsの大会としてRed Bull 5Gを開催している。FPSの競技タイトルとして『バトルフィールド3』が使用された。 また、CyACが『カウンターストライク』や『コール オブ デューティシリーズ』、『Warsow』などのオンライン大会やオフライン大会を定期的に開催している。
ほとんどが欧米製だが、『コーデッドアームズ』など純日本製の作品が一部にある。また、日本製の場合FPSに近い視点の物はロボットアクションゲームに多い。 以下は日本製FPSまたは、FPSに近い視点の日本製ゲーム。
日本で初めてゲームを職業にするプロチームを輩出したジャンルとも言われている。詳しくはプロゲーマーを参照。
日本の銃規制の厳しさや軍人人口の少なさ、マイルドな表現や前述のアニメ調のデザインを好み、グロテスクな表現やリアル調のデザインを好まない日本人の嗜好、日本でのPCゲームやマニア向けゲームの人気の低さ、開発の難しさや日本のゲームメーカーの開発力の低さ等があってか日本でのFPSの知名度はいま一つとなっている。特に家庭用FPSがほとんどなかった1990年代が顕著で、1997年に発売された『ゴールデンアイ 007』は3万本程度しか売れていなかった。
しかし、時代の流れとともに日本でのFPSの知名度は上昇しており、2000年の『パーフェクトダーク』は10万本近くを売り上げており、近年では特に『Call of Duty』が40万本程度売れるようになっている。
FPSにはネットワークを介した対戦モードが搭載されていることが多い。一回のゲームプレイ時間が他のゲームジャンルと比べて20分〜1時間程度(ゲームのルールによって異なる)と比較的短い[3]上に、ネットワークRPGと違ってレベルを上げたりアイテムを集めるといった作業をしなくても楽しめる(一部FPSでは「アンロックアイテム」という形で経験値入手のアイテムもある)。
一般のゲームではネットに接続しないで1人、もしくは同一ハードを利用した多人数プレイを「オフラインプレイ」、ネット接続での多人数プレイを「オンラインプレイ」というのが一般的である。一方、PCを発祥とするFPSでは、1台のPCで2人以上のプレイができない(一部ゲームではスプリットスクリーンでのプレイも可能だが、ほとんど存在しない)ことや、LANによるオフラインかオンラインかよく分からない状況が存在すること、また本格的にGUIからの多人数プレイをサポートした『Quake』での表記法より、伝統的に1人でストーリーモードをプレイすることを「シングルプレイ」、ネット接続やLANでの多人数でプレイする事を「マルチプレイ」と呼称する。ただし1人でマルチプレイの練習をすることはシングルプレイと呼ばずに「マップを走る」や「BOTを撃つ」などと呼ばれる。
ゲームによってはシングルとマルチで全く別のチューニングを施されているため(例:シングルプレイではリロードが存在、マルチプレイでは存在しない『Quake4』など)、シングルとマルチは単純に同じゲームではない物も多い。
いわゆるボードゲームやカードゲームとは違い、運による要素がせいぜい「最初に登場する位置」「復活時に登場する(リスポーン)位置」「アイテムの出現タイミング」程度しかなく(タイトルによって若干異なるが)、プレイヤーの腕前が顕著に出るジャンルである。2007年現在、世界で最も遊ばれているネットワークゲームのジャンルの一つといわれている。
最近ではネットワーク対戦モードが搭載されたFPSのほうが多く、シングルプレイヤーに特化したFPSは縮小傾向にある。
FPSの対戦は腕前が顕著に出すぎてしまうという点で、新規プレイヤーが古参プレイヤーに対抗できず、負けがかさんですぐにやめてしまう人も多い。これは、初心者に対する救済措置が少ない作品がほとんどであることも影響しており、強くなるには少しずつでも習熟するしか方法はない。逆にある程度複数のFPSを経験した者は、別の作品の対戦に入り込んでも割と良い戦績を残せる事も珍しくない。
人気のゲームであれば日本国内に置かれているサーバーが多数存在し、サーバー間の距離による応答遅延はさほど感じないプレーが出来るが、国内で正式に発売されていなかったり、マイナーなゲーム、さらにはネットコードがLANに最適化されすぎ、応答遅延やパケットロスに弱いゲームであると、オンライン上ではまともにプレイできないゲームも存在する。また、言葉の壁にぶつかるケースもある。
PCゲームでは細やかな映像オプションが搭載されているため、よほど低性能のPCで高世代のゲームをプレイしようとしない限りはマシンスペックの差異はそこまで極端に発生しないようになっている。そのため、余計に腕前や契約している回線とプロバイダに勝敗が左右されてしまう傾向が強い。クライアントマシンとサーバ間のネットワークのラウンドトリップタイム(以下RTT。使用するユーティリティpingから、若年層のFPSゲーマを中心に、RTTの値を指して俗にping値と呼ばれる)が、決定的な差となる場合が多い。
たとえば日本国内のサーバ・日本国内のプレイヤ同士の場合で、最短と最長の差が50ミリ秒程度になることがある。RTTの短い(俗にpingが低い)環境のプレイヤはRTTの長い(pingが高い)環境のプレイヤの50ミリ秒分の未来を見ていることになり、突き詰めた勝負ではそのコンマ数秒で勝ち負けが決まってしまうこともある。そのため、拮抗した実力を持つプレイヤー同士のプレーになるとネットワーク環境が優れている、もしくは有利な地域から接続しているプレイヤーのほうが有利に働いてしまう傾向にある点は否めない。
この接続環境によるタイムラグを比較的意識させないゲームプログラムの組み方を行っている作品も多く見られ、例えば旧来のゲームでは「実際に敵が見えている位置よりも未来を予測した位置に銃弾を発砲する」必要がある作品も珍しくなかったが、最近では「自分が見ている敵に実際に弾丸が当たっていれば相手の実際の位置に関係なくダメージが通る」というシステムを取り入れている作品も珍しくない。 しかし後者のシステムを取り入れたとしても通信ラグは完全に緩和されるわけではなく、例えば自身は完全に壁の裏などに逃げ込んだつもりでも、敵からはまだ壁に向かって走っているように姿が映るため、その状態を撃たれてしまったり、ほぼ同時に撃ち合ったのに自分だけが一方的にダメージを受けて負けてしまうという矛盾した問題が発生する事もある。
ゲームシステムを無理やり改変して、完全に無敵、壁を突き抜ける弾丸(ゲームによっては最初から突き抜けるものもある)、透視能力、極端に高い跳躍能力、コンピューターによる照準の自動追尾などを行うチーター(不正行為を行うプレイヤー)も多く、問題視されている。
そのためほとんどのゲームがPunkBusterやGameGuardに代表されるアンチチートソフトを導入しているが、チーターとのいたちごっこは続いている。そのような検知システムに引っかからないゲームシステムの根本的な仕様を逆手にとって(影などの表現オプションを切って視認性を格段に向上させる等)、少しでも有利に進めようとする人も後を断たない。しかし、ゲームの仕様を用いた裏技的な手法は、見方によっては一種の戦略でもあり、同時にコンピューターのパフォーマンス向上のためやむなく行っているケースもある。それでも基本的にチーターは普通にゲームをプレイしたい人たちにしてみれば単なる害でしかない。
一方、ゲームサーバーによってはそのようなありえないゲームバランスを最初から導入し、その混沌とした様をサーバーに接続した全員、もしくは限られた数人で楽しむプレイスタイルも存在する。
ちなみにゲームサーバーによって加えられたそのような改造は、基本的にはゲームクライアントに不正な改変が加えられるわけではなく、接続したそのサーバーだけに発生する仕組みのものがほとんどである。悪意をもって開設された物でない限りは、ログアウトして他の普通のサーバーに接続すれば、再インストールなどは不要で通常の状態に元に戻るのが大半である。
FPSゲームは、基本的に基幹部となる「ゲームエンジン(以下「エンジン」)」を最初に構築してから製作される。前述したようにFPSやTPSはリアルな表現や派手なエフェクトの表現を数倍必要としたジャンルであり、ゲームエンジンのデモ作品としては切っても切れない縁となっている。
製作の際、リリースするOSの開発元や、グラフィックボードの開発会社、ゲーム機の販売元等と技術提携して開発を進める場合が多い。最初の例は3dfx社からの技術提携を受けた『Quake』とされており、『Farcry』は元々nVidia社のプレゼンテーションとして製作されていたが、完成度が高いためにそのままゲーム化されたり、『Half-Life2』はそれ自体がATI社の技術デモと言われるなど、特にグラフィックボードメーカーとは密接な関係がある。
ゲームエンジンは「DOOMエンジン」「Quakeエンジン(公式ではあるが愛称。正式名称は「id TECH」エンジン)」「Unrealエンジン」など、最初にそのエンジンを利用して作られたゲームから名前をとられることが多く、新作が公開されてエンジンそのものがバージョンアップすると「Quake3エンジン」、「Unreal Engine3」などナンバリングが変更される場合がある。また、例外もあり『Half-Life』に用いられたエンジンはGoldsource(これは初代Quakeエンジンを大幅に改造した物であり、日本では主にHalf-Life Engineと呼ばれる)、その後継品であるSource Engineや、Lithtech Engineなど、最初期リリースのゲームソフトとはまったく無関係の名称を与えられているケースもある。『コール オブ デューティシリーズ』のように『Return to Castle:Wolfenstein』のエンジンを元にしているが、別にエンジンに名前を付けていないメーカーも存在する(『RtCW』がQ3エンジン改のため、『CoD4』のエンジンもSourceエンジン同様Quake系エンジンではある)。
最近ではそれらゲームエンジンシステムを用いて作られた作品は「○○エンジン使用」と宣伝するのが通常であり、どのゲームエンジンを用いてそのソフトが製作されたのかという事は、そのゲームのデザインやシステムと同等の注目度となっている。しかし、たとえどのようなゲームエンジンを使っていようが、結局はその作品が真に楽しめるものでなければ売り上げに直結する要素とはなりえない。実際「有名エンジン使用!」と宣伝したが本数が出なかったソフトは多数存在する。
ゲームエンジンは「映像処理」「音声処理」「データ管理」「入力・出力方法」「物理処理」「ネットワーク処理」「AI」といったゲーム製作に必要な骨組みが整備された一種のミドルウェアである。ゲームエンジンはそのエンジンの規則にしたがって作られたプログラム(スクリプト)や3Dモデル、グラフィック、音声といったデータを読み込み、ゲームとして動作させる。当然ながらエンジンの種類によって映像処理法やデータの管理方法、その他の機能には違いがある。同じグラフィックデータや音声データを用いてゲームを製作しても、エンジンによって見た目は大きく変わる。また、人間の表情を高度に表現できるエンジン、大量のオブジェクトの表示に特化したエンジンなど、それぞれに特色がある。
こうしたエンジンを利用すれば、ゲーム基幹部の開発にかける開発費や時間・労力を節約できる。このため、エンジン開発を行ったゲームの続編や拡張パックの製作に利用されたり、他社がエンジン利用のライセンスを購入して元のゲームとはまったく関係のないゲームを開発・販売する事がある。続編や拡張パックの開発であれば、ライセンス料すら必要なく(自社の財産であるため)開発費・開発期間を削減できるというメリットがある。エンジンのライセンスを購入するゲームソフト会社にしてみても、ライセンスの取得に初期投資は若干かかるものの、プログラムを一から作るよりは数段低い開発リスクでゲーム製作ができるというメリットがある。ただ、近年ではこのエンジン自体の開発が遅れたり、エンジン自体に問題がある、契約内容に問題があるなどで、訴訟問題に発展することもある。
最近では、エンジンの販売を重要な目的と位置づけ、ゲーム自体の販売による利益はもちろんだが、エンジンの性能をアピールするための広告塔としてゲームを開発し発売する、といった方法を取る企業が増えている。パソコンや家庭用ゲーム機間の移植性の高さ(クロスプラットフォームと言う)をアピールするエンジンも多く、実際、パソコン版として発売されたタイトルが家庭用ゲーム機に移植されたり(その逆のパターンもある)、多機種で同時発売されることも多い。
こうしたエンジンは本来FPS用に製作されたものだが、TPSをはじめ、パズルゲームやフライトシミュレーター、ロールプレイング、リアルタイムストラテジー、レースゲームなど、知識と応用しだいでジャンルに関係なく様々なゲームを製作することができる。エンジン利用のメリットがあるかは別として、2Dゲームを作ることも可能であるし、極論すれば(そのエンジンが高機能ならば)ゲームとはまったく無関係のワープロソフト等を作ることも可能である。
場合によってはエンジンの内容を一部書き換えてバージョンアップしたり、オリジナルのコードを書き加えて改造する事もある。こうしたエンジンのソースコードは、機能ごとに高度に分離されていることが多く、グラフィック部分のみを強化したり、ネットワークコードのみを製作中のゲームに最適化したり、ということが容易にできるようになっている。
また、あまり3DCGに関する知識を有していなくても、比較的簡単に3DCGを使ったコンテンツを製作することが出来る点から、これらエンジンはコンピューターソフトウェアに限らない用途にも利用されている。具体例としては、ゲームの素材を利用してCG映画を作るマシニマ(Machinima)などが挙げられる。海外では大学の卒業研究の題材としてFPSのエンジンを用いた映像製作やゲーム製作に取り組んだ例もある。
マシニマにおける特に有名な作品例として、海外の『レッドvsブルー』(Red vs.Blue)というものがある。この作品はマシニマのエンジン(母体)である『ヘイロー・シリーズ』の開発元であるバンジースタジオ公認の存在で、海外ではかなりの知名度を誇る。また、『Halo 2』の特典DVDにおいて彼らの活動記録が収録されており、ゲームを用いたムービー、つまりマシニマの存在がより有名になった理由のひとつと言えるかもしれない。
マシニマに似た物としてフラグムービーと呼ばれる物がある。これは一般スポーツのスーパープレー特集に似た物であり、高難易度のフラグシーンをまとめ、音楽と併せてムービー化する物である。
ゲームエンジンの一部もしくはそのすべての仕様や、開発用のツールキット(SDK)が一般に公開されている場合は、それを利用してModを製作する事ができる。それらを用いれば、開発元の会社とは一切無関係な一般的なゲームユーザーがマップやキャラクター(スキン)を追加したり、ゲームの内容そのものをまるきり変更してしまうこともできる。
特に『Half-Life』(Goldsource)では改造Modが他のタイトルよりも多く出回り、その中でも『Counter-Strike』と呼ばれるModはゲームシステムを根本から改変した物として有名で、各界も含めてModの代名詞的な作品として認知されている。
これらModはユーザーにとってゲーム自体をいじって楽しめるし、開発側にとっては発売後もユーザーの手によって拡張され続けることでゲームの陳腐化の速度が遅くなるというメリットがある。ただし開発側は相応に変更しやすいようシステムを構築しておかねばならず、その手間だけはデメリットの一つと言える。
大会をスムーズに進行させる為に作られたMOD(通称CompMOD)には、半分オフィシャルとなっている物も多くある。例えばid Software主催で行われるQuakeCon 2007内で行われたオフィシャルイベント「Quake Quad Damage Tournament」では『QuakeII』で『OSP』、『QuakeIII:Arena』で『CPMA』、『Quake4』で『Q4MAX』が使われた。
このシステムは、ゲーム製作に興味がある(才能のある)一般ユーザーをゲーム業界に引き入れる、一種の人材育成機能ともなっている。例えば、EPIC GAMES社の社員の3割はMODコミュニティ出身であるという[4]。現在Valve名義で発売されている『Team Fortress Classic』のスタッフは、元々初代『Quake』のMODとして『Team Fortress』を製作した人たちであったが、そのゲーム性にValve社長であるゲイブ・ニューウェルが惚れ込み、Valveにスカウトされたと言う実績もある。同じような事例は卒業研究としてSourceエンジンを使って作られたゲームをリファインし、『Portal』として発売した例もある。また、『Red Orchestra: Ostfront 41-45』を発売しているTripwire Interactive社に至っては、EPIC GAMES主催のUnreal Tournament 2004 MODコンテストで優勝し、賞金とエンジン使用権を得たことをきっかけとして会社が設立されている。
また、製作用のツールが公開されていない場合でも個人の有志が勝手に編集ツールを開発して強制的にModを製作するというケースもある。ただし製品の利用規約によってはゲームシステムの改造(リバースエンジニアリング)を禁止しているケースもある。ただしこれは利用規約上の制約であって、基本的に違法性は無い。
また、そうした「認められていないMod製作」を規約上は禁止していても、摘発や警告には無駄な労力が伴うし、上記のように法的拘束力はあまり望めず、また「器の小さな企業」などというイメージ定着等の要素から、ほとんどは黙認状態になっている。
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FPSは単体で発展したものではなく、3D RPG、ロボット・飛行機・戦車搭乗シミュレーション、サード・パーソン・アドヴェンチャーなどと相互発展しており、FPS以外からも大きな影響を受けているが、ここではFPSのみの代表的作品を表記する。
2017年8月8日、Molecular Psychiatry(英語版)誌に掲載された研究によるとFPSゲーマーは記憶に関与する海馬の萎縮が顕著だということが明らかになった[6]。
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