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ラック式鉄道(ラックしきてつどう、Rack Railway)(歯軌条鉄道)とは2本のレールの中央に歯型のレール(歯軌条、ラックレール)を敷設し、車両の床下に設置された歯車(ピニオン)とかみ合わせることで急勾配を登り下りするための推進力と制動力の補助とする鉄道のことである。特殊な分岐器が必要とされる場合もある。
ラック式鉄道に対して車輪とレールの間の摩擦力(粘着力)によってのみ駆動と支持を行う通常の鉄道を粘着式鉄道と呼ぶが、粘着式の場合、登坂可能条件は「1000μWD≧W(r+i+a)」という式で求められる(左辺:動力車の粘着引張力・右辺:列車全体の走行の諸抵抗)。
この式を勾配角度Gを求める場合に変換すると「G≦1000μWD/W-r-31α」となり、粘着係数を鉄道において一般的な0.15・0.20・0.25とし、単位当たり走行抵抗rを7、加速度αを0.25(km/h)/sとすると、登坂限界の勾配は以下の表のようになる。
列車全体の重量/動輪上重量[脚注 1] | 粘着係数0.15 | 粘着係数0.20 | 粘着係数0.25 |
---|---|---|---|
1倍(全軸駆動の動力車のみ) | 135 | 185 | 235 |
2倍 | 60 | 85 | 110 |
2.5倍 | 45 | 65 | 85 |
3倍 | 35 | 52 | 69 |
この数値は仮想的な物で実際には安全に余裕を見込んで設置される必要性があるため、鉄道における勾配は全軸駆動の電車列車でも100‰、機関車牽引の場合は70‰付近が粘着式の限界とされている[2]。 実際の鉄道でもポルトガルのリスボントラムでは最急勾配135パーミル、オーストリアのペストリングベルク鉄道は最急勾配116パーミルであるなど、欧州では最急勾配100パーミル前後の粘着式の路面電車が最急になる。
ラック式は、イギリスのジョン・ブレンキンソップが平たい鉄のレールと平たい車輪ではスリップが起きやすいと考え、1811年に特許 (No 3431) を取得し、翌1812年にマシュー・マレーによって製作されたミドルトン鉄道の機関車で初めて採用された。当時は急勾配を登るためではなく、機関車の空転防止が目的だった。この問題は、1813年にイギリスのヘドレーが機関車の重量を増やすことで解決された[3]。
世界初の登山用ラック式鉄道は、1868年開通したアメリカ合衆国のワシントン山歯軌条鉄道で、マーシュ式を使用し375‰の急勾配で実用化され。19世紀末から20世紀初頭にかけて世界各地で多数のラック式鉄道が相次いで建設された(下表参照)が、ケーブルカー(鋼索鉄道)やさらにはロープウェイ(索道)の発達により新規路線の開設はほとんど行われなくなった。しかし20世紀末には山岳観光地における環境負荷の少ない交通機関として見直す動きが起こった。オーストラリアでは新しいラック式鉄道が開業しており、日本でも菅平高原に本格的なラック式登山鉄道が計画されたことがある。
歯軌条と歯車の形状により、後述するさまざまな種類がある。ただし世界的にはアプト式が約80%と大半を占め[4]、日本でも営業鉄道路線ではアプト式以外の採用例がないため[脚注 2]、日本では「アプト式」があたかもラック式鉄道全般を指す言葉であるかのような誤解がしばしば見られる。
方式 | 特徴 | 実用開始年 | 実用開始場所 | (実用開始場所の) 最急勾配[脚注 3] |
記事 |
---|---|---|---|---|---|
マーシュ式 | 梯子型 | 1869年 | ワシントン山歯軌条鉄道[脚注 4] (Mount Washington Cog Railway) |
375‰ | 世界最初のラック式登山鉄道 |
リンゲンバッハ式 | 梯子型 | 1871年 | スイス:アルト・リギ鉄道[脚注 5] | 250‰ | 欧州最初のラック式登山鉄道 |
アプト式 | 2~3条 | 1885年 | ドイツ:ハルツ山鉄道[脚注 6] (Rübeland Railway) |
60‰ | アプト式最初の実用化 |
ロヒャー式[脚注 7] | 水平型 | 1888年 | スイス:ピラトゥス鉄道[脚注 8] | 480‰ | 世界最急勾配のラック式登山鉄道 |
シュトループ式 | 1条 | 1898年 | スイス:ユングフラウ鉄道 | 250‰ |
また、推進力をもっぱらピニオンのみにより車輪には動力がないタイプと通常は車輪に動力を伝え急勾配区間のみラックレールを使用するタイプがある。前者のタイプでは平坦な駅構内や分岐器部分にもラックレールが必要となる。
ラック式鉄道が世界で最も普及している国はスイスで、山に登るのを目的とした観光鉄道のほか、峠を越える部分のみラックレールを使用している亜幹線鉄道もある。かつて信越本線(碓氷峠)に存在したラック式区間は最大勾配こそ66.7‰に過ぎなかったが、これほど輸送量の多い幹線に用いられた例は、ブラジルのサントス=ジュンジアイ鉄道の104‰のラック式鉄道区間[脚注 9]で日本製の電気機関車が重連で500t、スイス製の電気機関車が同じく850tを牽引した列車が運行されているものに次ぐものであり、世界にも他にあまり例はない。
元々マーシュ、リッゲンバッハ、アプトの各方式は、動力車が蒸気機関車・蒸気動車だった時代に開発されたが、蒸気動力車は動輪そのものがピストンの往復運動を回転運動に変えるクランクの役を果たしている関係から、動軸の衝動が大きく、このためピニオンがラックレールから外れることのないよう対策する必要があった。しかし、近年に入って動力車が電気機関車・電車になり、またベアリングのコロ軸受け(ローラーベアリング、ボールベアリング)化とその改良もあって、動軸の衝動は特に対策しなくてもよい範囲に収まるようになったため、シンプルで低コストのこれらの形式がうみだされた。
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