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電子レンジ(でんしレンジ、英: microwave oven)とは、電磁波(電波)により、水分を含んだ食品などを発熱させる調理機器である。
日本における「電子レンジ」という名称は、1961年(昭和36年)12月、急行電車のビュフェ(サハシ153形)で東芝の製品をテスト運用した際に、国鉄の担当者がネーミングしたのが最初とされる[1]。その後市販品にも使われ、一般的な名称となっていった。
英語では microwave oven (マイクロウェーブ・オーブン、直訳すると「マイクロ波オーブン」)で、しばしば microwave と略される[2]。electronic ovenとも呼ばれる[3][4]。
物の温度とはおおよそ分子の運動量のことであるが、電子レンジはマイクロ波を照射して、極性をもつ水分子を繋ぐ振動子に直接エネルギーを与え、分子を振動・回転させて温度を上げる。いわゆるマイクロ波加熱を利用している。
電力を消費して加熱する調理器具としては、他に電気コンロや電磁調理器があるが、電気コンロはジュール熱で発熱体を熱して発生する赤外線で食品を加熱し、熱の発生原理がまず異なる。赤外線とマイクロ波は波長が異なるため、その性質も異なる。赤外線は主に物質の表面を加熱する(内部まで加熱されるのは熱伝導によるものである)。
一方で、マイクロ波を用いた電子レンジでは、物質の内部まで放射によって加熱されるものの、水分子を含まず電磁波が透過するガラスや陶磁器は加熱されない(同じく、加熱された部分からの熱伝導で間接的に温まることはある)。
電磁波の発生源としては、マグネトロンという真空管の一種が使われている。
出力は家庭用で500 - 700W程度、コンビニエンスストアや厨房機器として用いられる業務用では、1500 - 3000W程度である。電力を電磁波に変換する際のロスがあるため、インバータータイプの出力(温める力)が1000Wならば、電子レンジ自体の消費電力は1450W程度となる。
日本では家庭用品品質表示法の適用の対象で、電気機械器具品質表示規程に定めがある[5]。また、電波法にいう高周波利用設備に該当し、高周波出力50Wを超える機器の為、型式確認制度の対象となる[6]。 電磁波の周波数は、2450MHzでISMバンドのひとつであり、周波数を共用している無線LANやWi-Fi、直下の2400MHz帯アマチュア無線などは、電子レンジを動作させると、通信不能になる大影響を受けるが、総務省告示周波数割当計画脚注に「混信を容認しなければならない」と規定している。
世帯普及率は、日本において1970年代中盤に10%を超え[7]、1980年代の中盤で40%台[7]から50%強[8]、その後半には60%台中盤[7]から70%台[8]となり、1990年代の中盤は80%台中盤[7]から90%前後[8]で、その後半には90%台中盤[7][8]となり、2000年代の中盤から後半では90%台中後半[7][8]を保っている。世界的には、経済的に発展し電力事情も良く家電製品の普及している先進国の多くの地域でも、安価な廉価版機種から多機能高性能な機種に至るまで幅広く流通し、その利便性が認められて広く使われている。
1945年にアメリカ合衆国のレイセオン社で働いていたレーダー設置担当の技師パーシー・スペンサーによって発明された。
などのような伝説的なエピソードが伝わっているが、実際には複数のスタッフによる入念な観察の結果によって開発されたという[9]。
最初に電子レンジで調理した食物は、慎重に選ばれた結果、ポップコーンであった。スペンサーの電子レンジでは、紙袋を使ったトウモロコシの調理法で特許を取っている[9]。2番目は鶏卵(茹で卵づくり)だったが、これは卵の爆発により失敗した(21世紀においても起き得る失敗)。
なお、1944年(昭和19年)、大日本帝国海軍は海軍技術研究所と島田実験所(現島田理化工業の前身)にて、マイクロ波を照射して航空機などを遠隔攻撃するための殺人光線研究をおこなっていた[10]。初の実験対象はサツマイモで、焼芋となったという[11]。その後、5mの距離からウサギを殺すことにも成功したが、それ以上の大型化が困難となる[12]。
大和型戦艦から撤去した、副砲の旋回部分を利用してパラボラアンテナを設置する工事も行われたが、兵器として実用化されることなく、第二次世界大戦の終戦を迎えた[11]。開発者の一人、中島茂はマイクロ波でコーヒー豆を炒る機械を製作して、東京のコーヒー店に納入し収入の糊口をしのいだ[11]。だが、この電子レンジが商品化されることはなかった。
レイセオン社はマイクロ波による調理について1945年に特許をとり[13]、1947年に最初の製品を発売した。高さ180cm、重量340kg。消費電力は3000Wだった。この製品は非常に売れ行きがよく、他社も相次いで参入した。
火を使わずに加熱調理する電子レンジの出現は1950年代当時の人々を困惑させた。発売当初の電子レンジは高価であり、一般家庭に普及し始めたのは価格が500ドルに抑えられるようになった1970年代後半のことである[9]。欧米ではマイクロ波に対する健康不安など、電子レンジへの不信感は根強く、1998年に行われたイギリスでの調査では、消費者の10パーセントが「電子レンジは絶対に買わない」と回答している[9]。
日本では当初、冷めた料理を温めたり冷凍食品を解凍したりする程度の役にしか立たないとされる調理器に、なぜ高い金銭を支出して購入する必要があるのか全く理解されず、消費者からすんなりと受け入れられたわけではなかった。
そのためメーカーは、電子レンジがあたかも焼き物・煮物・蒸し物・揚げ物・炒め物・茹で物等、ありとあらゆる機能をこなす万能調理器であるかのように宣伝して売ろうとした。
これに対して雑誌『暮しの手帖』は1975年から1976年にかけて特集を組み、「電子レンジ―この奇妙にして愚劣なる商品」と題した記事を掲載、「メーカーはなにを売ってもよいのか」と酷評した。当時『暮しの手帖』の商品テストは、消費者から高い信頼を得ていたため、「電子レンジは万能調理器ではない」という認識は消費者にも印象付けられた。『暮しの手帖』は同じ号で、蒸し器を使って冷めた料理をおいしく温めるコツについての記事を掲載した。このキャンペーンの影響で、電子レンジに対してのネガティブなイメージは、後年まで一部で残ることとなった。
しかし、ボタン一つの手間で料理を温めることができる便利さは、大きな利点であった。高度経済成長で暮らしが豊かになる半面、核家族化と個食に代表される「家族が食卓を囲み、揃って食事する文化」が過去のものとなっていく過程で、簡単に料理を温められる手段へのニーズが増大していき、普及していった。
メーカー側も性能向上に努力し、食品の重量・温度などをセンサーで読み取って食味を損なわない最適な加熱を行えるようにするなど、今日では十分な性能を持つ調理器具としての製品を発売するに至っている。冷凍食品の普及と品質向上、冷凍食品を保存できる冷凍庫つきの冷蔵庫の普及進展、また電子レンジで調理することを前提とした半調理済み食品までが販売されるようになり、利便性の高まりと共に普及率も高まっていった。また、それに伴う大量生産とコモディティ化による価格の下落がさらなる普及を後押しした。
1970年の日本万国博覧会の会場周辺には、電子レンジを組み込んだハンバーガーの自動販売機が登場して、話題になった。
この自動販売機は紙箱に収められたハンバーガーのみ販売し、購入すると自動的に内蔵の電子レンジに商品が投入、加熱されたうえで提供されるものであったが、「パンは蒸気でふやけ、肉はパサパサ」という、ハンバーガーチェーンの出来立てハンバーガーに比べるといささか味気ないものであった。また硬貨投入から商品受け取りまで加熱時間を含め1分程度待たなければならなかった。
しかし自動であるため、深夜でも簡便に暖かい食べ物を提供できることや、食料ストックを冷凍することで、在庫・食品劣化リスクがほとんどなくなるという利点から、無人のドライブインや高速道路のサービスエリアなどを中心に設置が進んだ。
こういった電子レンジ内蔵自動販売機は、その後の設置数の増加や冷凍食品の発達にも助けられて着実に社会に浸透し、様々なバリエーションが登場した。現在では焼きおにぎりや唐揚げ、フライドポテト、たこ焼きなどを併売する機種もみられる。
2000年代の日本では、普及率は90%台後半を保ち、温める機能のみの単機能な電子レンジであれば1万円以下で購入可能で、レンジ・ヒーター・スチームを組み合わせて調理する複合型多機能タイプも登場している。
このような状況によって、電子レンジで温めればそのまま食べられる食品も数多く店頭に並ぶようになった。コンビニエンスストアを中心に、風味もよく簡便な冷凍食品や、出来上がった弁当や惣菜などが複数種類取り揃えられるようになり、スナックフードコーナーには電子レンジ対応メニューが定番商品として並び、その場で温められたり、持ち帰って温めたりして食べられている。また、スーパーマーケットなどの食品売り場でも弁当や惣菜など電子レンジを利用する商品の扱いが増したことで中食産業の市場も拡大している[25]。
2005年4月、シャープは自社電子レンジの世界累計生産台数が世界で初めて1億台を達成したことを発表した[26]。
庫内の状態は、マイクロ波の照射・吸収にむらがないようにターンテーブルを設けた方式と、高出力・多機能製品を中心に採用している庫内がフラットになっている方式がある。このタイプはターンテーブルの代わりに内部でアンテナが回転している。業務用電子レンジでは出力を上げたり内部で乱反射させることで入れられた食品を回転させることなくムラ無く加熱させる製品もある。
電子レンジは基本構造上、商用電源周波数にその能力や出力が影響されうる。このため、より効率的な加熱を行ったり、きめ細かな火力制御をするために、インバータで電源からの影響を回避する機能を持つ製品もある。そのような製品は、交流電源を一旦直流にコンバートしてから、商用電源周波数よりも高い、所定の交流の周波数で高圧に変換するため、電源周波数に影響されない(いわゆるヘルツフリー)。
ただ、そういった機能の無い旧来の製品や「温め専用」など安価な製品にあってはその限りではなく、例えば日本国内でも、西日本と東日本地域で、異なる商用電源周波数に影響される製品もあり、利用者の引越しなどでネックとなる。この場合は有償メーカー修理などの形で、使用地域にあった部品への交換などの改修が行われる。また消費者側では「移転先の電源周波数に合わない」といった理由によって、従来品を破棄して買い替えが行われる場合もある。
電子レンジに、他の機能を付加した製品も多く登場してきている。その代表的な例が、オーブン機能のついた電子レンジ「オーブンレンジ」である。電子レンジには出来ない「焼く」という機能を、電熱線やガス燃焼を使ったオーブン機能で行い、オーブンと電子レンジの双方の利点をミックスしている。スチームを利用して加熱したり、あるいは食品の温度を計測しながら、自動的に加熱時間を調整するなど、多機能化した電子レンジも登場している。
電子レンジでの調理は一般に庫内ターンテーブル片側に調理物を置きドアを閉めてスタートする(中央ではマイクロ波が十分に照射されない)。特に調理物の温度を赤外線センサーで確認しながら制御している機種などでは庫内に調理物が置かれていないと正常な調理ができないことがある。
電子レンジの調理方法について、高機能化した電子レンジではなく単機能の電子レンジであっても、「冷めた料理や素材を温める」「冷凍食品を解凍する」といった使い方のほかに、煮る・煮込むといった加熱調理器具としての位置づけもある。多機能レンジにおいて調理法は各食品・料理に適した機能を選択して行う必要がある。
電子レンジであたためを行う場合、通常は器にラップをかけて行う。これにより、食品をあたためた場合に発生する水蒸気を副次的に利用し、水分の蒸発による食材のパサつきも抑え、蒸すのに類似した効果も同時に得ることができる。ただし、水分量が多いとふやけてしまうような食材(パンや揚げ物など)は逆にラップをかけないで、食品の下にクッキングシートを敷いて余計な水蒸気を逃がし食品を皿の上で結露した水によってふやかさせないなどの工夫も行なわれる。
野菜、とくに火が通りづらい根菜類でも、温野菜を作ることができる。これは食材の下拵えとしても行われる。レンジパックなどの、より簡単に温野菜をつくれる調理グッズも出てきている。ケーキのようなものも、電子レンジを用いて作ることができる。食感は蒸しケーキに似る。
加熱はできるが、素材の表面が乾燥し焦げ目はつかないため、焼き料理は作れない。ただし、電子レンジ用調理器具や冷凍食品の中には、電子レンジの調理機能のみで「焦げ目がつくよう工夫されたもの」のような焼き物料理ができる冷凍食品や、焼き魚やから揚げの調理ができる包材も商品化されている。
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電子レンジが登場した時、調理する行為には特に名前が付けられなかったが、前述の合図音が由来となり、全国的規模で自然発生的に生まれた言い方である[28][29]。文化庁による2013年度の「国語に関する世論調査」では、90.4%が「チンする」を使用すると回答している。この調査結果は「チンする」という言い回しが、広く日本語として浸透していることを示すものである[30]。
現代において、合図音で「チン」を用いているのは、普及価格帯の単機能タイプが主体で、高出力化・多機能化した製品では、圧電素子を利用した電子音を用いることが一般的となっている。
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