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ピサの斜塔 (30976 views - Monuments - Famous Buildings)

ピサの斜塔(ピサのしゃとう、イタリア語: Torre di Pisa)は、イタリアのピサ市にあるピサ大聖堂の鐘楼であり、世界遺産「ピサのドゥオモ広場」を構成する観光スポットである。高さは地上55.86m、階段は296段あり、重量は14,453t、地盤にかかる平均応力は50.7tf/m2と見積もられている。一時傾斜の増大と倒壊の危惧があったがその後の処置により、当分問題ないと判断されている(後述)。5.5度傾いていたが、1990年から2001年の間に行われた工事によって、現在は約3.99度に是正されている。また、定刻ごとに鳴る鐘の音は、備え付けられている鐘を実際に鳴らすと傾斜に影響を及ぼす恐れがあるために、スピーカーから流されている。かつてのガリレオの実験に対して行われた異端審問の弾圧に関連してローマ法王が詫びの公式声明を塔の頂上にて行ったことも有名。
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ピサの斜塔

ピサの斜塔

ピサの斜塔 Torre di Pisa (イタリア語)
トスカーナ州における位置
基本情報
所在地 イタリア
座標 北緯43度43分23秒 東経10度23分47.10秒 / 北緯43.72306度 東経10.3964167度 / 43.72306; 10.3964167座標: 北緯43度43分23秒 東経10度23分47.10秒 / 北緯43.72306度 東経10.3964167度 / 43.72306; 10.3964167
宗教 カトリック教会
ピサ県
トスカーナ州
教会的現況 公開
ウェブサイト http://www.opapisa.it/en/home-page.html
建設
建築家 ボナンノ・ピサーノ
形式 鐘楼
様式 ロマネスク建築
着工 1173年
完成 1372年
建築物
最長部(最高) 55.86メートル (183.3 ft)
資材 大理石

ピサの斜塔(ピサのしゃとう、イタリア語: Torre di Pisa)は、イタリアピサ市にあるピサ大聖堂鐘楼であり、世界遺産ピサのドゥオモ広場」を構成する観光スポットである。高さは地上55.86m、階段は296段あり、重量は14,453t、地盤にかかる平均応力は50.7tf/m2と見積もられている。一時傾斜の増大と倒壊の危惧があったがその後の処置により、当分問題ないと判断されている(後述)。5.5度傾いていたが[1][2][3]、1990年から2001年の間に行われた工事によって、現在は約3.99度に是正されている。また、定刻ごとに鳴る鐘の音は、備え付けられている鐘を実際に鳴らすと傾斜に影響を及ぼす恐れがあるために、スピーカーから流されている[4]。かつてのガリレオの実験に対して行われた異端審問の弾圧に関連してローマ法王が詫びの公式声明を塔の頂上にて行ったことも有名。

傾斜の原因

傾斜の原因は、1990年から改修工事前に行われた地質調査によれば、地盤の土質が極めて不均質であったことである。南側の土質が相対的にやわらかく年月を経るうちに傾き始め、それにより回転モーメントが増大してますます地盤に対する負担が大きくなり、結果的には塔の南側が大きく沈下するという事態に陥ったのである。

工期は、第1工期1173年 - 1178年、第2工期1272年 - 1278年、第3工期1360年 - 1372年で、工期間隔が非常に長い。というのも、1173年8月9日の着工時には鉛直であったが、第1工期後には既に塔が傾きはじめ、第2工期でややその傾斜を修正しつつ建設が再開されたものの、その傾きはなおも止まらず、第3工期を迎えたのである。傾斜が修正できなかったため、最上階層のみ鉛直に建てられている。オリジナルの建築計画上では現在あるものよりも遥かに高い鐘楼ができる予定であったという。しかし「ピサの斜塔」として世界で最も有名な不等沈下の事例として現在もその姿を保つこととなった。

傾斜の克服

1935年地下水が地盤をやわらかくしてしまうのを防ぐため薬液を注入して地下水の浸入を止めようとする応急処置がとられた。しかし、現場の地盤は鋭敏比(詳細は土質力学の項を参照)が非常に高く、攪乱によって強度が著しく低下し、沈下は更に進んでしまった。1960年代、現地の地下水汲み上げによって地下水位が下がり、またも傾斜進行という危機を迎え、1964年2月27日ついに、イタリア政府はピサの斜塔を崩壊から回避するための支援を求めた。

1990年1月7日、安全上の問題により公開を休止し、傾斜角を是正するために改修工事が行われた。当初は沈み込んだ側と反対の北側におもりを載せることでバランスをとろうとしたが、根本的な解決には至らなかった。その後、改修工法には世界各国の建設会社から様々な提案がなされたが、最終的に、北側の地盤を掘削するという工法が採られた。他にも、薬液を注入して地盤改良を行うなどの案もあったが、透水性の低い粘土層への注入は難しく、強引に注入すれば攪乱が起こり前述の鋭敏比の問題は避けられなかった。そして2001年6月16日、10年間にわたる作業が終了し公開は再開された。

2008年5月28日、監視担当のエンジニアで地質学者でもあるミケレ・ジャミオルコウスキ教授により、少なくともあと300年は倒れる危険がないとの見解が示されている。

見学

かつては一時立ち入り禁止となった時期もあったものの現在では塔が安定したため有料で最上階まで階段で登ることが出来る。ただし混雑するために人数制限があり、入場券の枚数は限られている。通路が狭いので大きな荷物は持ち込むことはできない。

ギネスブック掲載

長らく世界中で最も傾斜している建物と認識されていたが、ギネスブック15世紀に建造されたドイツ北西部エムデンの付近にある教会の尖塔(ズールフーゼンの斜塔)の方が傾斜していると判定した。2009年のギネスブックからはピサの斜塔に代わって掲載されるとされた。

2010年6月にはアラブ首長国連邦アブダビにあるキャピタルゲートビル(35階建てビル)が傾斜角約18度であるとしてギネスブック世界記録に認定された。ただし、ピサの斜塔と違いこちらは意図的に傾斜させている[5]

登場作品

『古代王者 恐竜キング Dキッズ・アドベンチャー』(2007)
イタリアに出現したパキケファロサウルスがピサの斜塔に頭突きをして傾斜を直してしまうシーンがある。これに深い印象を受けた柳田理科雄は自らの著書空想科学読本の6巻にて、ピサの斜塔を地面と垂直に立たせるために必要なパキケファロサウルスのスピードを計算している。

脚注

  1. ^ “EUROPE | Saving the Leaning Tower”. BBC News. (2001年12月15日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/793432.stm 2009年5月9日閲覧。 
  2. ^ Tower of Pisa”. Archidose.org (2001年6月17日). 2009年6月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月9日閲覧。
  3. ^ Leaning Tower of Pisa (tower, Pisa, Italy) – Britannica Online Encyclopedia”. Britannica.com. 2009年5月9日閲覧。
  4. ^ E la Torre di Pisa non oscilla più”. Scienze.TV (2008年5月28日). 2012年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月9日閲覧。
  5. ^ “アブダビに「世界一傾いたビル」、ピサの斜塔抜く”. CNN.co.jp (CNN). (2010年6月7日). http://www.cnn.co.jp/world/AIC201006070005.html 2010年6月7日閲覧。 

関連項目



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