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ジスプロシウム (19020 views - Periodic Table Of Elements)

ジスプロシウム (英: dysprosium、ディスプロシウムとも言うことあり) は原子番号66の元素。元素記号は Dy。希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。きわめて偏在しており、現在99%が中国で産出されている。
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ジスプロシウム

ジスプロシウム

テルビウム ジスプロシウム ホルミウム
-

Dy

Cf
66Dy
外見
銀白色
一般特性
名称, 記号, 番号 ジスプロシウム, Dy, 66
分類 ランタノイド
, 周期, ブロック n/a, 6, f
原子量 162.500
電子配置 [Xe] 4f10 6s2
電子殻 2, 8, 18, 28, 8, 2(画像
物理特性
固体
密度室温付近) 8.540 g/cm3
融点での液体密度 8.37 g/cm3
融点 1680 K, 1407 °C, 2565 °F
沸点 2840 K, 2562 °C, 4653 °F
融解熱 11.06 kJ/mol
蒸発熱 280 kJ/mol
熱容量 (25 °C) 27.7 J/(mol·K)
蒸気圧
圧力 (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k
温度 (K) 1378 1523 (1704) (1954) (2304) (2831)
原子特性
酸化数 3, 2(弱塩基性酸化物
電気陰性度 1.22(ポーリングの値)
イオン化エネルギー 第1: 573.0 kJ/mol
第2: 1130 kJ/mol
第3: 2200 kJ/mol
原子半径 178 pm
共有結合半径 192 ± 7 pm
その他
結晶構造 六方晶系
磁性 常磁性 (300 K)
電気抵抗率 (r.t.) (α, poly) 926 nΩ·m
熱伝導率 (300 K) 10.7 W/(m·K)
熱膨張率 (r.t.) (α, poly) 9.9 µm/(m·K)
音の伝わる速さ
(微細ロッド)
(20 °C) 2710 m/s
ヤング率 (α form) 61.4 GPa
剛性率 (α form) 24.7 GPa
体積弾性率 (α form) 40.5 GPa
ポアソン比 (α form) 0.247
ビッカース硬度 540 MPa
ブリネル硬度 500 MPa
CAS登録番号 7429-91-6
主な同位体
詳細はジスプロシウムの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
154Dy syn 3.0 × 106 y α 2.947 150Gd
156Dy 0.06 % 1 × 1018 y α  ? 152Gd
158Dy 0.10 % 中性子92個で安定
160Dy 2.34 % 中性子94個で安定
161Dy 18.91 % 中性子95個で安定
162Dy 25.51 % 中性子96個で安定
163Dy 24.90 % 中性子97個で安定
164Dy 28.18 % 中性子98個で安定

ジスプロシウム (: dysprosium、ディスプロシウムとも言うことあり) は原子番号66の元素元素記号Dy希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。きわめて偏在しており、現在99%が中国で産出されている。

性質

銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は六方最密充填構造 (HCP)。比重は8.56、融点は1407 °C沸点は2562 °C

空気中で表面が酸化され、高温で燃焼して Dy2O3 となる。水にゆっくりと溶ける。に易溶。ハロゲンと反応する。安定な原子価は、4f9電子配置を取る+3価である。

低温では強磁性を示し、強磁性転移温度 TN は−188 °C (85 K) である。

用途

中性子吸収断面積が大きいので原子炉の制御用材料として利用される(→またはガドリニウムとの合金)。光磁気ディスク(光メモリ)の材料や磁石、蓄光剤の添加剤としても利用される。他に伸縮合金にも使われる。また、ヨウ化ジスプロシウム(III)や臭化ジスプロシウム(III)といった高輝度放電ランプの光の赤色領域の貴重なスペクトル線を出すのに使われている。

近年はネオジム磁石保磁力を高めるための添加物としての利用が急増しており、安定供給の確保に懸念が生じているため、日本では経済産業省主導の「希少金属代替材料開発プロジェクト」で2011年度までに使用量を現状から30 %削減するための技術開発を目指すなどしている[1]

歴史

1886年ポール・ボアボードランによりホルミウム化合物から単離された[2]。単離は難しく大変な労力を要した。このため、ギリシャ語の「近づき難い」を意味する dysprositos が語源となった[2]

2013年、当時の一大生産拠点であった中華人民共和国レアアースの輸出制限を実施し、ジスプロシウムも価格が高騰。日本では対前年度比で10倍超となる3,500円/kgに迫る月も出た。翌年には1,000円/kg台へ下落したが、高騰を契機にジスプロシウムの使用量を抑えたモーターの製造などの技術革新が進んだ[3]。このことを契機に、ベトナムカザフスタンなど中国以外の生産地調査が進められている[4]

ジスプロシウムの化合物

同位体

参考文献



This article uses material from the Wikipedia article "ジスプロシウム", which is released under the Creative Commons Attribution-Share-Alike License 3.0. There is a list of all authors in Wikipedia

Periodic Table Of Elements

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