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テルル (27557 views - Periodic Table Of Elements)

テルル(英: tellurium)は原子番号52の元素。元素記号は Te。カルコゲン元素の一つ。
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テルル

テルル

アンチモン テルル ヨウ素
Se

Te

Po
52Te
外見
銀白色
一般特性
名称, 記号, 番号 テルル, Te, 52
分類 半金属
, 周期, ブロック 16, 5, p
原子量 127.60
電子配置 [Kr] 4d10 5s2 5p4
電子殻 2, 8, 18, 18, 6(画像
物理特性
固体
密度室温付近) 6.24 g/cm3
融点での液体密度 5.70 g/cm3
融点 722.66 K, 449.51 °C, 841.12 °F
沸点 1261 K, 988 °C, 1810 °F
融解熱 17.49 kJ/mol
蒸発熱 114.1 kJ/mol
熱容量 (25 °C) 25.73 J/(mol·K)
蒸気圧
圧力 (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k
温度 (K) (775) (888) 1042 1266
原子特性
酸化数 6, 5, 4, 2, -2
(弱酸性酸化物
電気陰性度 2.1(ポーリングの値)
イオン化エネルギー 第1: 869.3 kJ/mol
第2: 1790 kJ/mol
第3: 2698 kJ/mol
原子半径 140 pm
共有結合半径 138 ± 4 pm
ファンデルワールス半径 206 pm
その他
結晶構造 六方晶系
磁性 反磁性[1]
熱伝導率 (300 K) (1.97 - 3.38) W/(m·K)
音の伝わる速さ
(微細ロッド)
(20 °C) 2610 m/s
ヤング率 43 GPa
剛性率 16 GPa
体積弾性率 65 GPa
モース硬度 2.25
ブリネル硬度 180 MPa
CAS登録番号 13494-80-9
主な同位体
詳細はテルルの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
120Te 0.09% > 2.2 × 1016y ε ε 1.701 120Sn
121Te syn 16.78 d ε 1.040 121Sb
122Te 2.55% 中性子70個で安定
123Te 0.89% > 1.0 × 1013 y ε 0.051 123Sb
124Te 4.74% 中性子72個で安定
125Te 7.07% 中性子73個で安定
126Te 18.84% 中性子74個で安定
127Te syn 9.35 h β- 0.698 127I
128Te 31.74% 2.2 × 1024 y β-β- 0.867 128Xe
129Te syn 69.6 min β- 1.498 129I
130Te 34.08% 7.9 × 1020 y β-β- 2.528 130Xe

テルル: tellurium)は原子番号52の元素元素記号Teカルコゲン元素の一つ。

性質

金属テルルと無定形テルルがあり、金属テルルは銀白色の結晶半金属)で、六方晶構造である。テルル化合物はにんにく臭を帯びるものがあるが、単体は無臭である。

金属テルルの比重は6.24、融点は450 °C沸点は1390 °C(融点、沸点とも異なる実験値あり)。酸化力のあるには溶ける。ハロゲン元素とは激しく反応する。酸化数は-2, +2, +4, +6価をとる。また、化学的性質はセレン硫黄に似ている。燃やすと二酸化テルルになる。天然に元素鉱物として単体で存在することがある(自然テルル、native tellurium)。

また、テルル単体及びその化合物には毒性があることが知られている。また、これらが体内に取り込まれると、代謝されることによってジメチルテルリドになり、呼気がニンニクに似た悪臭(テルル呼気)を帯びるようになる。

歴史

1782年にF.J.ミュラーが単体分離、1798年にクラプロートによって命名された[2]。語源はラテン語のTellusで、これは地球を意味するとともに、ローマ神話で大地の女神の名である[2]。また、周期表上でテルルの一つ上に位置するセレンギリシャ神話の月の女神の名である。

化合物

酸化物とオキソ酸

ハロゲン化物

その他

同位体

テルルにはいくつかの安定同位体があるが、2.2×1024年の半減期を持つ128Te(これは現在知られている放射性同位体の半減期の中で最も長い)や、7.9×1020年とこちらもまた非常に長い半減期を持つ130Teもあり、これらのほうが安定同位体よりも存在量が大きい。このような一つ以上の安定同位体を持つ元素の中で天然放射性同位体が安定同位体より多く存在している元素は、テルルの他にインジウムレニウムがある。

用途

  • ガラスなどの着色剤として利用される。
  • ビスマスとの合金は、熱電変換素子ペルティエ素子として実用化されている。
  • 用途が狭く、偏在性が高く、需要量・埋蔵量ともに少ないが、太陽電池や各種電子部品の材料になるなど先端工業に欠かせない存在であり、レアメタルの一種である。
  • に0.05から0.065%添加すると鉛の耐食性や強度が上昇するため添加剤として用いられている。

埋蔵量・生産・消費

鉱業便覧[3]によると、テルルの埋蔵量(資源量)は3万8000トンである。上位からアメリカ合衆国(6000トン)、ペルー(1600トン)、カナダ(1500トン)[4]。いずれもズリなどを含まないテルルの純分量である。2000年時点の年間生産量は322トン。上位からカナダ(80トン)、ベルギー(60トン)、アメリカ合衆国(50トン)、ペルー(39トン)、日本(36トン)であり、上位5カ国で生産量の82.3%をまかなう[5]。1998年時点の年間消費量は145トン、そのうち日本が48トンを消費している[6]。テルルの2000年時点の総輸入量は2万0247kg、このうちベルギーが1万1197トン[要検証]を占める[7]

埋蔵地域

  • 日本国内のテルル鉱物は、北海道手稲鉱山静岡県河津鉱山手稲石やマックアルパイン石などが知られており、これらは自然テルルやテルル石を伴う。テルル酸塩鉱物・亜テルル酸塩鉱物は現在までに計37種類が知られているが、日本で発見されたものも多い。

出典

  1. ^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds Archived 2012年1月12日, at the Wayback Machine., in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
  2. ^ a b 桜井弘 『元素111の新知識』 講談社1998年、238頁。ISBN 4-06-257192-7 
  3. ^ 経済産業調査会、『鉱業便覧 平成14年版』、2003年、ISBN 4806516597
  4. ^ 『鉱業便覧』、p.222
  5. ^ 『鉱業便覧』、p.226
  6. ^ 『鉱業便覧』、p.230
  7. ^ 『鉱業便覧』、p.243

関連項目



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Periodic Table Of Elements

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